Y!mobile(以下ワイモバイル)は大手キャリアであるソフトバンクのサブブランドです。
格安SIMに近い料金水準で、大手キャリア並みのサービス品質を誇ります。
通信速度の安定感や完全かけ放題、キャリアメール・キャリア決済が使えるなど、サブブランドならではの充実ぶりです。

スマホ代を安くしたいけど使い勝手が悪くなるのは嫌だ、という人にピッタリです。
本記事ではそんなワイモバイルを実際に利用し、良かったところやイマイチだと感じたところを本音でレビューします。
ワイモバイルの良かったところ
さっそくワイモバイルのメリット・良かったところからチェックしていきます。
- 通信速度が速く安定している
- 最大1Mbpsの低速通信が使える
- データ繰り越しに対応
- 無制限かけ放題あり
- LINEのID検索ができる
- キャリアメール・キャリア決済も利用可能
- Yahoo!プレミアムが無料
- Web申し込みで初期費用が無料
- 家族割引・光回線とのセット割あり
- My SoftBankアプリ対応
通信速度が速く安定している

ワイモバイルは通信速度が速く安定しています。
他の格安SIM・MVNOとは違い自社回線を保有しているので、混雑時も速度が落ちにくいです。
実際にワイモバイルの通信速度を測定してみました。
- 利用端末:motorola edge 20
- 利用アプリ:Speedtest.net
- 測定場所:千葉県柏市
- 測定日:2023年4月21日
測定結果は以下の通りです。
時間帯 | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|
朝(9:00) | 54.2Mbps | 19.5Mbps |
昼(12:30) | 62.8Mbps | 14.0Mbps |
夕方(18:00) | 61.7Mbps | 17.1Mbps |
夜(22:00) | 25.5Mbps | 12.5Mbps |
下り速度が時間帯を問わず安定していますね。
平日お昼や夕方など、回線が混雑しやすい時間帯も速度が落ちていません。

SNSや動画視聴、ソシャゲのアップデートなども快適でした。
単純な速度ではライバルであるUQモバイルのほうが優れています。
ただ、ワイモバイルも使っていて困ることはありません。
最大1Mbpsの低速通信が使える
ワイモバイルは低速通信も他の格安SIMより速いです。
以前は128kbpsと非常に遅かったのですが、現在は以下の通りに改善されています。
- シンプルプランS:300kbps
- シンプルプランM/L:1Mbps
プランM/Lの低速通信はUQモバイルや楽天モバイルと同じ最大1Mbpsです。
実際に計測してみると、確かに1Mbps前後の速度が出ます。

1Mbps前後の速度が出ればたいていの用途は快適です。
実際に以下の用途をワイモバイルの低速通信で利用できました。
- ブラウジング
- YouTube(480p)
- Apple Music
- スマートニュース
- Google Map
容量の大きいアプリのダウンロードや高画質な動画の再生は厳しいですが、それ以外はおおむね快適です。
データ繰り越し対応
長らくデータ繰り越し非対応だったワイモバイルですが、2021年8月にデータ繰り越しへ対応しました。
月末に余ったデータ通信量を翌月に繰り越すことが可能です。
例えばプランS(3GB)で月末に1GB余った場合、翌月は3GB+繰り越した2GB=4GBのデータ通信を使えます。

月末にデータ通信量が余っても無駄になりません。
また、翌月の出張や旅行に備えてデータ通信量を貯めておく、といった使い方も可能です。
ようやく他の格安SIMに追いつきましたね。
無制限かけ放題あり
ワイモバイルでは月額1,870円で電話がかけ放題になる「スーパーだれとでも定額」が利用可能です。
格安SIMでも無制限かけ放題の提供が増えていますが、それでも制限付きのかけ放題に比べると選択肢は限られます。
- H.I.S モバイル
- IIJmio
- UQモバイル
- OCNモバイルONE
- イオンモバイル(ドコモ回線のみ)
- 日本通信
しかも、ワイモバイルのかけ放題は専用アプリが不要です。
普段使っているスマホの電話アプリからかけるだけで、かけ放題が適用されます。
いちいちアプリをダウンロードする手間が省けるのは大きいですね。
LINEのID検索ができる

ワイモバイルは格安SIMながらLINEのID検索が使えます。
ID検索を利用するためには、LINEの年齢確認をしないといけません。
ただ、格安スマホの多くは年齢確認に非対応です。
実際にLINEの年齢確認をしてみました。
現時点では年齢確認をしていない状態です。

年齢確認をタップするとMy SoftBankへのログイン画面が表示されます。

My SoftBankへログインし、正常に年齢確認ができました。


ID検索を使えなくても、QRコードなど他の方法で友だち追加はできます。
ただ、やっぱりID検索が一番楽です。
どうしてもLINEのID検索を使いたい!という人にもワイモバイルは向いていますよ。
キャリアメール・キャリア決済も利用可能
ワイモバイルでは他の格安SIMでは使えないキャリアメールとキャリア決済が使えます。
ワイモバイルのキャリアメールアドレスは「@ymobile.ne.jp」です。

大手キャリアから乗り換えるとアドレス自体は変わってしまいます。
しかし、フリーメールと違い迷惑メールフィルタにブロックされません。
実家の両親とのやり取りや、学校の連絡網などでキャリアメールを利用する人も安心ですね。
キャリア決済は親会社であるソフトバンクの「ソフトバンクまとめて支払い」がそのまま利用できます。

メールはフリーメールでも代用できますが、キャリア決済はなかなか代用できません。
格安SIMでもキャリア決済を使いたい人にはありがたいですね。
Yahoo!プレミアムが無料
ワイモバイル契約中はYahoo!プレミアム会員に無料で登録できます。
もともとYahoo!プレミアムを利用している人なら月額508円の節約ですね。
実際にYahoo!プレミアムの画面に行くと、無料なのが分かります。

Yahoo!プレミアムの主な特典は以下の通りです。
- Yahoo!ショッピングやPayPayモールで常に3%還元
- 雑誌・漫画読み放題
- 野球・バスケットボールの試合が見放題
- Yahoo!やPayPayのキャンペーンで優遇
とくにお得なのがYahoo!ショッピング・PayPayモールのポイント還元です。
通常1.0%のポイント還元率が常に3.0%にアップします。
Yahoo!ショッピング・PayPayモールを利用する人ならYahoo!プレミアムは必須ですね。
Web申し込みで初期費用が無料
ワイモバイルはオンラインストアから申し込むと3,300円の初期費用が無料です。
他の格安SIMはキャンペーンやエントリーパッケージを利用しないと無料になりません。
契約する時の1回だけですが、3,300円の初期費用がかからないのはうれしいですね。
ちなみに、他の格安SIMだと3,300円の初期費用の他に300円前後の「SIMカード発行手数料」もかかります。
ワイモバイルはこのSIMカード発行手数料もかかりません。
月額料金と端末代以外の初期費用を一切かけず契約可能です。
家族割引・光回線とのセット割あり
ワイモバイルは「家族割引」または「おうち割 光セット(A)」を利用すると月額料金が安くなります。
- 家族割引
家族で利用すると1,188円割引(2回線目以降) - おうち割 光セット(A)
対象の光回線とセットで1,188円割引
※家族割引とおうち割 光セット(A)の併用は不可
割引額はどちらも同じです。
例えばシンプルプランSなら月額990円で利用できます。
プラン | 割引前 | 割引後 |
---|---|---|
シンプルS | 2,178円 | 990円 |
シンプルM | 3,278円 | 2,090円 |
シンプルL | 4,158円 | 2,970円 |
家族で格安SIMを利用する、あるいはすでにソフトバンクの光回線を利用している場合はスマホもワイモバイルにするとお得ですよ。
My SoftBankアプリ対応
ワイモバイルは親会社であるソフトバンクのアプリ「My SoftBank」に対応しています。
アプリにログインすれば、請求金額やデータ容量をサクッと確認可能です。


以前の「My Y!mobileアプリ」は起動してもブラウザに飛ぶだけで、アプリとして成り立っていませんでした。
My SoftBankアプリに対応したおかげで、使い勝手がより良くなったと言えます。
ワイモバイルのイマイチなところ
続いてワイモバイルのデリットや、イマイチだと感じたところをチェックしていきます。
- 月額料金が割高
- 速度切り替えができない
月額料金が割高
ワイモバイルは他の格安SIMに比べると月額料金が割高です。
例として、3GBプランの月額料金を主要な格安SIMと比較してみました。
格安SIM | 3GBプランの月額料金 |
---|---|
ワイモバイル | 2,178円 |
BIGLOBEモバイル | 1,320円 |
HISモバイル(自由自在プラン) | 770円 |
LIBMO | 980円 |
LinksMate | 902円 |
NUROモバイル | 792円 |
OCNモバイルONE | 990円 |
UQモバイル | 1,628円 |
イオンモバイル | 1,078円 |
エキサイトモバイル(Fit) | 880円 |
ピカラモバイル | 1,430円 |
格安SIM全般で値下げが相次ぎ、3GBで1,000円を下回るところが多くなりました。
筆者も普段は2~3GBで900円前後のプランを利用中です。
そのため、いくらサービス内容が充実しているとは言え3GBで2,178円のワイモバイルはかなり割高に感じます。
家族割引やおうち割 光セット(A)を適用できないなら、他の格安SIMや大手キャリアの格安プランも検討してください。
速度切り替えができない
ワイモバイルは速度切り替えに対応していません。
速度切り替えは高速通信と低速通信を任意のタイミングで切り替える機能です。
必須ではありませんが、低速通信中はデータ通信量を消費しないというメリットがあります。

ワイモバイルは低速通信の速度が1Mbps(プランSは300kbps)と速いです。
速度切り替えとの相性が良いだけに、対応していないのはもったいないと言えます。
ワイモバイルの口コミ・評判
実際にワイモバイルを利用している他のユーザーの口コミ・評判もチェックしてみましょう。
ポジティブな口コミ・評判
ポジティブな口コミ・評判としてはやはり通信速度が速いというものが多いです。
他の格安SIMより速いのは当たり前。
中には光回線より速いなんて人もいましたね。
ただし、アップロードの速度はやや遅めのようです。
僕の測定結果でも、下りと比べると上りは安定感に欠けていました。
アップロード重視の人は要注意です。
ネガティブな口コミ・評判
ネガティブな口コミ・評判としてはデータ繰り越しや速度切り替えがない点が挙げられていました。
データ繰り越しは対応しましたが、いまだに速度切り替えはできません。
データ通信の使い勝手を重視するならUQモバイルを選びましょう。
また、ワイモバイルはかけ放題を売りにしていますが、留守番電話はかけ放題の対象にならないというデメリットがあるようです。
僕は普段、留守番電話を利用しないので全然気づきませんでした。
ちょっとセコいですね(笑)
留守番電話を頻繁に使う人は、留守番電話もかけ放題に含まれるかをしっかりチェックしてくださいね。
ワイモバイルとLINEMOの違い

ソフトバンクはサブブランドのワイモバイル以外に、格安プラン「LINEMO」も展開しています。
ワイモバイルとLINEMOの違いをまとめてみました。
項目 | ワイモバイル | LINEMO |
---|---|---|
料金プラン | 3GB:2,178円 15GB:3,278円 25GB:4,158円 | 3GB:990円 20GB:2,728円 |
家族割引 | 〇 | × |
おうち割 光セット | 〇 | × |
シェアプラン | 〇 | × |
通話オプション | 10分かけ放題:770円/月 無制限かけ放題:1,870円/月 | 5分かけ放題:550円/月 無制限かけ放題:1,650円/月 |
留守番電話 | 無料(通話料は有料) | × |
端末保証 | 〇 | 〇 |
LINEギガフリー | × | 〇 |
Yahoo!プレミアム | 無料 | × |
低速通信 | 3GB:最大300kbps 15/25GB:最大1Mbps | 3GB:最大300kbps 20GB:最大1Mbps |
キャリアメール | 〇 | × |
端末セット | 〇 | × |
データ追加購入 | 550円/0.5GB | 550円/1GB |
ソフトバンク Wi-Fiスポット | 〇 | × |
店舗サポート | 〇 | × |
両者の特徴・強みを簡単にまとめると以下の通りです。
- ワイモバイル
割引が豊富、留守番あり、端末セット・店舗サポートあり - LINEMO
シンプルで安い、LINEギガフリー
LINEMOでは家族割引やおうち割 光セット(A)が利用できません。
その代わりに、基本の月額料金はLINEMOが割安です。
また、LINEMOでは「LINEギガフリー」により、LINEが使い放題になります。
LINEのヘビーユーザーにはうれしいメリットですね。
一方、割引を利用できるならワイモバイルも料金面では負けません。
データ容量 | LINEMO | Y!mobile(割引込み) |
---|---|---|
3GB | 990円 | 990円 |
15GB | – | 2,090円 |
20GB | 2,728円 | – |
25GB | – | 2,970円 |
店舗サポートや端末セットの取り扱いなど、サービス面はワイモバイルがリードしています。
割引を活用できる人やサービス重視の人はワイモバイル、とにかく安く使いたいならLINEMOがおすすめです。
LINEMOについてはこちらの記事でレビューしています。
ワイモバイルのキャンペーン
ワイモバイルを契約できるオンラインストアは2つあります。
名前は似ていますが別のストアで、キャンペーン内容も異なります。
契約する際は、必ず両方のキャンペーンを比較してください。
公式オンラインストアのキャンペーン
5月現在、Y!mobile公式オンラインストアで実施されているキャンペーンは以下の通りです。
2023年5月8日までゴールデンウイークセールを開催中です。
他社から乗り換えると、対象端末が大幅に割引されます。
機種名 | 定価 | 割引後の価格(MNP) |
---|---|---|
OPPO Reno7 A | 36,720円 | 4,980円 |
AQUOS wish2 | 23,760円 | 1,980円 |
SIMのみでも最大11,000円のPayPayポイントがもらえるほか、PayPay利用時に20%の還元を受けられます。
また、後述するYahoo!モバイルオンラインストアの「新どこでももらえる特典」も併用可能です。
SIMのみでも端末セットでも、ワイモバイルを契約するなら今がおすすめです。
ヤフー店のキャンペーン
5月現在、Yahoo!モバイルオンラインストアで実施されているキャンペーンは以下の通りです。
注目なのが「新どこでももらえる特典」です。
名前の通り、どこでワイモバイルを契約しても特典がもらえます。
特典内容は「申し込みの4ヶ月後の1ヶ月間、PayPay支払いで最大20%相当上乗せ還元」というものです。
PayPayを使った際に、20%多くポイントが還元されます。
やや複雑ですが、しっかり活用したいですね。
SIMのみ契約なら最大10,000円相当還元+20%上乗せ還元が1ヶ月増えます。
PayPayを使いこなせるなら、ワイモバイル公式サイトよりお得ですね。
ワイモバイルに関するQ&A
ワイモバイルに関するQ&Aをまとめました。
- Q契約月の料金は日割りされる?
- A
日割りされます。ただし、解約時は日割りされません。
- Q口座振替は使える?
- A
使えます。
- Q解約・MNP転出の方法は?
- A
Webまたは店舗で手続きできます。MNP転出は電話でもOKです。
- Q機種変更できる?
- A
できます。オンラインストアや店舗で、契約はそのままで端末を購入できます。
まとめ
以上、ワイモバイルのメリット・デメリットでした。
- 通信速度が速く安定している
- 最大1Mbpsの低速通信が使える
- データ繰り越しに対応
- 無制限かけ放題あり
- LINEのID検索ができる
- キャリアメール・キャリア決済も利用可能
- Yahoo!プレミアムが無料
- Web申し込みで初期費用が無料
- 家族割引・光回線とのセット割あり
- My SoftBankアプリ対応
- 月額料金が割高
- 速度切り替えができない
ソフトバンクのサブブランドということもあり、大手キャリアと格安SIMの良い所取りをしたようなサービス内容ですね。
速度切り替えがないのはマイナスですが、速度自体は安定しています。
完全かけ放題があるのも貴重ですし、キャリア決済や口座振替が使えるのも人によってはうれしいでしょう。
大手キャリアの使い勝手を維持したままスマホ代を節約したい人にはワイモバイルが向いています。
Yahoo!ショッピング・PayPayモールの還元率アップもかなりお得です。
普段からYahoo!ショッピング・PayPayモールで買い物をする人も、ワイモバイルを検討してみるといいでしょう。