2020年4月8日、ついに楽天モバイルのMNOサービスRakuten UN-LIMITが本格始動しました。
データ通信も電話も使い放題、さらに最大25,000円分のポイントがもらえるお得なキャンペーンを実施中とてんこ盛りです。
2021年4月には「Rakuten UN-LIMIT VI」へグレードアップ。
1GB以下なら完全無料&電話が使い放題という衝撃的なプランとなっています。
一方で楽天回線が使えるエリアは限定されているなど課題も山積みです。
筆者が住んでいるエリアも楽天回線は使えないため、パートナー回線を利用中です。
今回は楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)を実際に利用して感じたメリット・デメリットをレビューしたいと思います。

Rakuten UN-LIMIT VIの概要
まずは楽天モバイルの料金プランであるRakuten UN-LIMIT VIの内容を簡単におさらいしておきましょう。
Rakuten UN-LIMIT VIの概要 | |
---|---|
データ通信量 | 無制限 |
月額料金 | 1GB以下:0円 1GB~3GB:1,078円 3GB~20GB:2,178円 20GB超え:3,278円 |
事務手数料 | 無料 |
契約縛り・違約金 | なし |
5G | 利用可(無料) |
国内通話かけ放題 | 無料(要Rakuten Link) |
取り扱い | オンライン/店舗 |
2021年4月より、従来のRakuten UN-LIMIT VからRakuten UN-LIMIT VIへグレードアップ。
月額3,278円でデータ使い放題はそのままに、利用したデータ通信量に合わせて料金が変動するようになりました。
1GB以下なら完全無料で利用可能です。
Rakuten UN-LIMIT VIでの変更点については以下の記事でもまとめています。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)のメリット
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)を実際に使って感じたメリットは以下の通りです。
- 1GB以下なら無料という衝撃の安さ
- 専用アプリ利用で電話もかけ放題
- 海外でも無料で使える
- 初期費用や違約金などの手数料は全て無料
- 通信速度もまずまず安定している
- iPhoneでも使える(動作保証対象外)
- eSIMなら5分ほどで利用可能になる
- ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- LINEのID検索に対応(Androidのみ)
1GB以下なら無料という衝撃の安さ
楽天モバイル最大のメリットはやはり安さでしょう。
1GB以下なら月額料金は0円です。
どれだけ安い格安SIMでも、さすがに0円はありませんからね。
以前「0 SIM」という、名前の通り0円で使える格安SIMがありました。
こちらはデータ通信のみですし、使い勝手もイマイチでした。
楽天モバイルはデータ通信だけでなく音声通話もSMSも利用できます。
そのうえ、詳しくは後述しますが専用アプリ経由なら通話料も完全無料です。
毎月のデータ通信量が1GB以下のライトユーザーなら、スマホ代を0円にすることも不可能ではありません。
大手キャリアの格安プランよりもお得
2021年3月より、大手キャリアも月額3,000円ほどで20GBのデータ通信を使える格安プランを発表しています。
従来プランより安くて魅力的ですが、楽天モバイルはさらにお得です。
キャリア | 月額料金 | かけ放題 |
---|---|---|
Rakuten UN-LIMIT VI | 2,178円 | 無料 |
ahamo(ドコモ) | 2,970円 | 5分かけ放題:無料 完全かけ放題:1,100円 |
povo(au) | 2,728円 | 5分かけ放題:550 完全かけ放題:1,650円 |
LINEMO(ソフトバンク) | 2,728円 |
月20GBの場合、Rakuten UN-LIMIT VIなら2,178円です。
大手キャリアの格安プランより600~800円ほど安く使えます。
しかもかけ放題も無料です。
ahamoは5分かけ放題こそ無料ですが、楽天モバイルと同じ完全かけ放題を使う場合は1,100円のオプション料がかかります。
povo、LINEMOに至っては5分かけ放題も有料です。
月20GBくらいで安く使いたい人にも楽天モバイルはおすすめです。
無制限プランとしても最安クラス
Rakuten UN-LIMIT VIは無制限プランを使いたい人にもおすすめです。
大手キャリア各社は大容量プランの内容も刷新しましたが、料金的には楽天モバイルのほうが圧倒的に安く済みます。
キャリア | 通信量 | 月額料金 | かけ放題 |
---|---|---|---|
Rakuten UN-LIMIT VI | 無制限 | 3,278円 | 無料 |
ドコモ(ギガホプレミア) | 60GB | 7,018円 | 5分かけ放題:770円 完全かけ放題:1,870円 |
au(使い放題MAX) | 無制限 | 7,238円 | 5分かけ放題:880 完全かけ放題:1,980円 |
ソフトバンク(メリハリ無制限) | 無制限 | 7,238円 |
Rakuten UN-LIMIT VIなら大手キャリアの半額以下で済みます。
もちろんかけ放題も無料です。
詳しくは後述しますが、無制限に使えるのは楽天回線エリアに限られます。
まだまだエリアは狭いですが、楽天回線エリア内に住んでいるのであれば楽天モバイルがもっともおすすめです。
専用アプリ利用で電話もかけ放題
楽天モバイルでは専用アプリ「Rakuten Link」を利用すると国内通話料が無料になります。
オプション料は不要です。
毎月のデータ通信量が1GB以下なら月額料金も通話料も無料になります。
衝撃的ですね。
専用アプリを使わないといけないのは少し面倒ですが、使い勝手は普通の電話とさほど変わりません。
連絡先もスマホ標準のものを自動でインポートしてくれます。
ダイヤルパッドから直接入力したり、履歴から折り返し電話をかけることも可能です。
海外でも無料で使える
楽天モバイルは海外でも無料で2GBのデータ通信を利用できます。
申し込みも不要です。
Rakuten Linkを使えば海外から日本への通話も無料になります。
さらに月額1,078円の国際通話かけ放題も利用可能です。
海外へ頻繁に行く人にはうれしいサービスですね。
現在はコロナでなかなか海外に行けないかもしれませんが、海外用に1回線持っておいても良いでしょう。
1GB以下なら無料で保有できますし。
初期費用や違約金などの手数料は全て無料
楽天モバイルでは以下の手数料がすべて無料です。
- 契約事務手数料
- 契約解除料(違約金)
- MNP転出手数料
- SIMカード再発行手数料
- eSIM再設定手数料
- SIM交換手数料
- 名義変更手数料(改姓のみ)
契約時も解約時も、一切手数料がかかりません。
契約縛りもないため「契約したけど合わなかった」という場合もすぐ解約できます。
ノーリスクで試せるのはうれしいですね。
通信速度もまずまず安定している
楽天モバイルは通信速度もまずまず安定しています。
実際に通信速度を計測してみました。
測定場所は岡山県岡山市です。
測定にはアプリ「Speedtest.net」を利用しています。
時間帯 | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|
9:00 | 49.4Mbps | 19.2Mbps |
12:00 | 35.5Mbps | 13.1Mbps |
18:00 | 41.0Mbps | 17.3Mbps |
21:00 | 51.5Mbps | 20.6Mbps |
どの時間帯も安定した速度が出ていますね。
格安SIMだと平日お昼や夕方になると速度が遅くて使い物にならないことも珍しくありません。
楽天モバイルも混雑時は多少速度が落ちますが、普通に使う分には問題ないでしょう。
動画視聴やアプリのダウンロードなども試してみましたが、快適に使えました。
iPhoneでも使える(動作保証対象外)
楽天モバイルはiPhoneでも使えます。
対象のiPhoneはiPhone XR以降のモデルです。
物理SIMカードはもちろん、後述するeSIMも対応しています。
当初はiPhoneだとRakuten Linkアプリ、楽天モバイルアプリが使えませんでした。
現在はどちらも使えます。
僕はiPhone SE(第2世代)とiPhone 12 Proで楽天モバイルを利用中ですが問題なく使えていますよ。
ただし、iPhoneでの利用は楽天モバイルの動作保証対象外です。
アフターサポートは受けられないため、設定などを自分でできる人のみiPhoneを使いましょう。
eSIMなら5分ほどで利用可能になる
楽天モバイルは物理的なSIMなしで契約できる「esIM」が利用できます。
音声通話機能付きのeSIMは国内では楽天モバイルが初めてです。
楽天モバイルはスマホで本人確認ができる「eKYC」に対応しています。
eKYCでeSIMを申し込む場合、申し込んでから5分ほどで利用可能です。
僕も4月に楽天モバイルをeKYCで再申し込みしましたが、申し込んで3分くらいで使えました。
楽天モバイルをeKYCで再契約。ほんとあっという間ね pic.twitter.com/0q2RIBVP7B
— 吾妻和希@Webライター (@azuma_kazuki24) March 31, 2021
iPhone XR以降やPixel 4以降など、eSIM対応スマホを持っている人はeSIMも検討してみましょう。
ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
楽天モバイルでは以下の手続きをWebや専用アプリからサクッとできます。
- 契約
- 解約/MNP転出
- オプション申し込み/解除
- 支払い方法の変更
- SIMの再発行/交換
- データ通信量チャージ
- 契約情報(メールアドレスや住所など)の変更
いちいちサポートへ連絡したり、ショップへ行ったりしなくていいのは楽ですね。
eSIMの場合、他の端末へ移行する際は再発行しないといけません。
楽天モバイルならウェブから即再発行手続きが可能です。
僕みたいに利用する端末をころころ変える人間にはありがたいです。
もちろん再発行手数料はかかりません。
楽天ポイントが貯まる・使える
楽天モバイルを契約すると楽天グループの共通ポイント「楽天ポイント」が貯まりやすくなります。
- 利用料100円につき1ポイントたまる
- 楽天市場のポイント還元率が+1.0%
- 楽天モバイルのキャリア決済を月2,000円利用で+0.5%
契約するだけで楽天市場のポイント還元率が+1.0%されます。
毎月のデータ通信量が1GB以下なら月額料金は0円です。
一切費用をかけることなく、楽天市場のポイント還元率を上げられます。
楽天モバイルのキャリア決済を月2,000円以上使うとさらに+0.5%アップです。
毎月ゲームに課金しているような人なら簡単に達成できますね。
ポイントが貯まるだけでなく、貯まったポイントを楽天モバイルの支払いに充てることも可能です。
期間限定ポイントを使えるので、余ったポイントの消化にも役立ちますね。
LINEのID検索に対応(Androidのみ)
楽天モバイルはLINEのID検索を利用可能です。
これまで大手キャリア以外でLINEのID検索を使えるのはLINEモバイルとY!mobileに限られていました。
2021年3月にリリースされたLINEのバージョン11.4以降では楽天モバイルでも本人確認が可能です。
LINEの友達追加はID検索以外でもできますが、なんだかんだID検索が楽です。
ID検索ができなくて大手キャリア以外を敬遠していた人も、これからは気にせず申し込めますね。
ただし、記事執筆時点ではLINEの年齢確認ができるのはAndroid版のみです。
iOS版では年齢確認ができません。
QRコードなど、ID検索以外の方法で友達を追加しましょう。
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)のデメリット
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VI)のデメリットは以下の通りです。
- 対応エリアが狭い
- 低速通信も通信量にカウントされる
- キャリアメールは使えない(夏以降提供?)
対応エリアが狭い
楽天モバイル最大のデメリットは対応エリアの狭さです。
実は楽天モバイルの対応エリアには大きく2つの種類があります。
- 楽天回線エリア
- パートナー回線(au回線)エリア
このうち、データ通信を無制限に使えるのは楽天回線エリアのみです。
楽天回線エリア外、つまりパートナー回線エリアでは月5GBまでしか高速通信を使えません。
パートナー回線エリアで月5GB以上使うと、通信速度が最大1Mbpsに制限されます。
僕が住んでいる場所も楽天回線エリアにはまだなっていません。
データ通信の使い放題が目当ての場合は、自宅やその周辺が楽天回線エリアかチェックした上で契約してください。
低速通信も通信量にカウントされる
Rakuten UN-LIMIT VIでは低速通信も利用した通信量にカウントされます。
すでにお伝えした通り、Rakuten UN-LIMIT VIは利用したデータ通信量が多いほど月額料金も高くなる仕組みです。
- 1GB以下:0円
- 1GB~3GB:1,078円
- 3GB~20GB:2,178円
- 20GB超え:3,278円
5GBのデータ通信を使い切った時点での月額料金は2,178円です。
その状態で低速通信をガンガン使い、通信量が20GBを超えると3,278円になってしまいます。
低速通信しか使えないのに3,278円の料金がかかるのは少しもったいないですね。
データ通信量はMy 楽天モバイルから確認できます。
月額料金を節約したい人はこまめに確認し、データ通信を使いすぎないように注意してください。
1Mbpsの低速通信自体は快適
楽天モバイルの低速通信は最大1Mbpsと比較的速いです。
実際に測定してみると、確かにおおむね1Mbpsの速度が出ています。
1Mbpsでいろいろ試してみたところ、以下のような用途なら快適に使えました。
- LINE
- SNS(Twitter)
- ゲーム(ドラクエウォーク)
- 音楽ストリーミング(Apple Music)
- YouTube(480p)
一般的な格安SIMの低速(200kbps)だとLINEとかブラウジングもやっとですが、1Mbpsなら結構いろんなことができますね。
YouTubeも480p(標準画質)なら途中で止まることなくスムーズに再生可能です。
ただし、さきほどお伝えした通り低速通信もデータ通信利用量にカウントされます。
使いすぎると月額料金が高くなるので要注意です。
キャリアメールは使えない(夏以降提供?)
楽天モバイルではキャリアメールは使えません。
キャリアメールは大手キャリアが提供しているメールサービスです。
例えばドコモなら「@docomo.ne.jp」というメールアドレスを利用できます。
キャリアメールは大手キャリアの契約に紐づいているので、楽天モバイルに乗り換える(=大手キャリアを解約する)と使えなくなります。
楽天モバイルにはキャリアメール相当のサービスはありません。
代わりにGmailなどのフリーメールを使います。
どうしてもキャリアメールが必要、という人は要注意です。
ちなみに楽天モバイルでは夏ごろにメールサービスを提供するとしています。
ただ、それがキャリアメールに相当するサービスなのかは不明です。
最大25,000円分の楽天スーパーポイントがもらえる!
現在、楽天モバイル(MNO)ではお得なキャンペーンを実施中です。
- 申し込みで5,000ポイントプレゼント
- 端末セット購入で最大20,000ポイントプレゼント
楽天モバイルを申し込むだけで5,000ポイントももらえます。
月額料金も初期費用も無料で5,000ポイントももらえるとかどうなってるんですかね。
さらに、対象の端末とセットなら最大20,000ポイントを追加でもらえます。
中にはポイント還元を含めると実質0円で購入できる端末もありますよ。
ただ、キャンペーンがお得なためか在庫切れが続く端末も多いです。
目当ての端末がある人は、こまめに公式サイトをチェックしましょう。
楽天モバイルのよくある質問
- 口座振替できる?
- できます。ただし、毎月110円の口座振替手数料がかかります。
- 解約方法は?
- my 楽天モバイルで解約可能です。「契約プランを表示」→「各種手続き」→「解約」の順に進んでください。
- 留守番電話は使える?
- 使えます。MVNOと違い、標準で留守番電話が使えるようです。月額料金も無料。
まとめ
というわけで楽天モバイル(MNO)のレビューでした。
- 1GB以下なら無料という衝撃の安さ
- 専用アプリ利用で電話もかけ放題
- 海外でも無料で使える
- 初期費用や違約金などの手数料は全て無料
- 通信速度もまずまず安定している
- iPhoneでも使える(動作保証対象外)
- eSIMなら5分ほどで利用可能になる
- ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- LINEのID検索に対応(Androidのみ)
- 対応エリアが狭い
- 低速通信も通信量にカウントされる
- キャリアメールは使えない(夏以降提供?)
対応エリアが狭いのはネックですが、1GB以下なら完全無料で使えるのは大きなメリットですね。
かけ放題が無料なので、他の格安SIMと併用してかけ放題だけ利用するのもありでしょう。
eSIM対応端末なら申し込んでから数分でサクッと使えるのも魅力と言えます。
とにかく安くスマホを使いたい人や楽天市場のヘビーユーザーは、メイン回線としても十分おすすめですよ。
コメント