楽天モバイルは月額3,278円でデータ通信も電話も使い放題なのが最大の魅力です。
既存の3キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の半額以下でデータ通信を無制限に使えます。

2023年6月からは、パートナーエリアでも無制限に使える「Rakuten最強プラン」もスタートする予定です。
一方で通信品質やRakuten Linkの通話品質が悪いなどデメリットも目立ちます。
本記事では楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)を実際に利用して感じたメリット・デメリットをレビューします。
- 楽天モバイルは安いけど、ちゃんと使えるの?
- 楽天モバイルを実際に使っているユーザーはどう評価しているのか?
このような疑問を持っている人は、ぜひ参考にしてください。
- 料金プラン:
⇒月20GB以上ならお得、低容量は△ - 通信速度:
⇒速度は速いが安定感に欠ける - 端末セット:
⇒ラインナップが豊富、最新iPhoneあり - かけ放題:
⇒無制限かけ放題が無料、品質は△ - サポート:
⇒楽天ショップでサポートを受けられる

楽天モバイルの料金プラン
まずは楽天モバイルの料金プランであるRakuten UN-LIMIT VIIの内容を簡単におさらいしておきましょう。
項目 | Rakuten UN-LIMIT VIIの概要 |
---|---|
データ通信量 | 無制限 |
月額料金 | 3GB:1,078円 3GB~20GB:2,178円 20GB超え:3,278円 |
事務手数料 | 無料 |
約縛り・違約金 | なし |
5G | 利用可(無料) |
国内通話かけ放題 | 無料(要Rakuten Link) |
実店舗 | あり |
楽天モバイルは使ったデータ通信量に応じて月額料金が変動します。
例えば2GBしか使わなかった月は1,078円ですし、20GB使った月は2,178円です。
通信量の上限がなく、20GB以上使った場合は3,278円で使い放題になります。
2022年7月より、従来のRakuten UN-LIMIT VIからRakuten UN-LIMIT VIIへ変更されました。
特徴の1つだった1GB以下なら完全無料が終了しています。
データ通信量 | 6月30日まで | 7月1日以降 |
---|---|---|
~1GB | 0円 | 1,078円 |
1~3GB | 1,078 | 1,078円 |
3~20GB | 2,178円 | 2,178円 |
20GB~ | 3,278円 | 3,278円 |
どうしても無料でサブ回線を保持したい場合はpovo2.0がおすすめです。
1GB以下無料が終わったこと以外はほとんど変わっていません。
月額3,278円でデータ通信は使い放題ですし、専用アプリを使えば通話料も無料です。
楽天モバイルのメリット
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)を実際に使って感じたメリットは以下の通りです。
- 大手キャリアの格安プランよりもお得
- 専用アプリ利用で電話もかけ放題
- 海外でも無料で使える
- 初期費用や違約金などの手数料は全て無料
- 通信速度もまずまず安定している
- iPhoneにも正式対応
- eSIMなら5分ほどで利用可能になる
- ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- LINEのID検索に対応
大手キャリアの格安プランよりもお得
2021年3月より、大手キャリアも月額3,000円ほどで20GBのデータ通信を使える格安プランを発表しています。
従来プランより安くて魅力的ですが、楽天モバイルはさらにお得です。
キャリア | 月額料金 | かけ放題 |
---|---|---|
楽天モバイル | 2,178円 | 無料 |
ahamo(ドコモ) | 2,970円 | 5分かけ放題:無料 完全かけ放題:1,100円 |
povo2.0(au) | 2,163円※ | 5分かけ放題:550円 完全かけ放題:1,650円 |
LINEMO(ソフトバンク) | 2,728円 | 5分かけ放題:550円 完全かけ放題:1,650円 |
月20GBの場合、楽天モバイルなら2,178円です。
大手キャリアの格安プランより600~800円ほど安く使えます。
工夫すればpovo2.0が楽天モバイルよりわずかに安くなりますが、かけ放題は有料です。
電話もデータ通信も格安で使うなら、楽天モバイルが最安になります。
無制限プランとしても最安クラス
楽天モバイルは無制限プランを使いたい人にもおすすめです。
大手キャリア各社も大容量プランの内容も刷新しましたが、料金的には楽天モバイルのほうが圧倒的に安く済みます。
キャリア | プラン名 | 月額料金 | 無制限かけ放題 |
---|---|---|---|
楽天モバイル | UN-LIMIT VII | 3,278円 | 無料 |
ドコモ | 5Gギガホ プレミア | 7,315円 | 1,870円 |
au | 使い放題MAX | 7,238円 | 1,980円 |
ソフトバンク | メリハリ無制限 | 7,238円 | 1,980円 |
楽天モバイルなら大手キャリアの半額以下で済みます。
もちろん、かけ放題も無料です。
楽天回線エリア内に住んでいるのであれば、楽天モバイルがもっともおすすめです。
専用アプリ利用で電話もかけ放題

楽天モバイルでは専用アプリ「Rakuten Link」を利用すると国内通話料が無料になります。
オプション料はかかりません。
追加料金を一切かけることなく、国内通話料が無料になります。
専用アプリが必要なのは少し面倒ですが、使い勝手は普通の電話とさほど変わりません。
連絡先もスマホ標準のものを自動でインポートしてくれます。


ダイヤルパッドから直接入力したり、履歴から折り返し電話をかけることも可能です。
ただし、iPhone版は着信履歴が残らない点には注意してください。
海外でも無料で使える
楽天モバイルは海外でも無料で2GBのデータ通信を利用できます。
申し込みも不要です。
Rakuten Linkを使えば海外から日本への通話も無料になります。
海外へ頻繁に行く人にはうれしいサービスですね。
初期費用や違約金などの手数料は全て無料
楽天モバイルでは以下の手数料がすべて無料です。
- 契約事務手数料
- 契約解除料(違約金)
- MNP転出手数料
- SIMカード再発行手数料
- eSIM再設定手数料
- SIM交換手数料
- 名義変更手数料(改姓のみ)
契約時も解約時も、一切手数料がかかりません。
契約縛りもないため、「契約したけど合わなかった」という場合もすぐ解約できます。
ノーリスクで試せるのはうれしいですね。
通信速度もまずまず安定している
楽天モバイルは通信速度もまずまず安定しています。
実際に通信速度を計測してみました。
測定場所は岡山県岡山市です。
測定にはアプリ「Speedtest.net」を利用しています。
時間帯 | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|
9:00 | 49.4Mbps | 19.2Mbps |
12:00 | 35.5Mbps | 13.1Mbps |
18:00 | 41.0Mbps | 17.3Mbps |
21:00 | 51.5Mbps | 20.6Mbps |
どの時間帯も安定した速度が出ていますね。
格安SIMだと平日お昼や夕方になると速度が遅くて使い物にならないことも珍しくありません。
楽天モバイルも混雑時は多少速度が落ちますが、普通に使う分には問題ないでしょう。
動画視聴やアプリのダウンロードなども試してみましたが、快適に使えました。
iPhoneにも正式対応

楽天モバイルはiPhoneでも使えます。
以前はiPhone XR以降のモデルしか使えませんでした。
2021年4月27日からはiOS 14.4以降を搭載する以下のiPhoneでも利用可能です。
- iPhone 14シリーズ
- iPhone 13シリーズ
- iPhone 12シリーズ
- iPhone SE(第2世代)
- iPhone 11シリーズ
- iPhone XR
- iPhone XS/XS Max
- iPhone X
- iPhone 8/8 Plus
- iPhone 7/7 Plus
- iPhone SE(第1世代)
- iPhone 6s/6s Plus
実際にiPhone SE(第1世代)で試してみたところ、問題なく楽天モバイルを利用できました。

iPhone XR以降のモデルは物理SIMカードだけでなく後述するeSIMも対応しています。
最新モデルであるiPhone 13シリーズももちろんOKです。
なお、楽天モバイルで利用する際はSIMロック解除が必要です。
大手キャリアのiPhoneで利用する場合は忘れずにSIMロック解除してください。
また、楽天モバイルのSIMを挿すと「キャリア設定アップデート」のポップが表示されることがあります。
その場合は[アップデート]をタップしてくださいね。

間違って[今はしない]をタップした場合は[設定]→[一般]→[情報]→[アップデート]の順にタップすればOKです。
当初はiPhoneだとRakuten Linkアプリ、楽天モバイルアプリが使えませんでした。
現在はどちらも使えます。
eSIMなら5分ほどで利用可能になる

楽天モバイルは物理的なSIMなしで契約できる「eSIM」が利用できます。
音声通話機能付きのeSIMは国内では楽天モバイルが初めてです。
スマホで本人確認ができる「eKYC」にも対応しており申し込んでから最短5分ほどで開通できます。
筆者も4月に楽天モバイルをeKYCで再申し込みしましたが、申し込んで3分くらいで使えました。
iPhone XR以降やPixel 4以降など、eSIM対応スマホを持っている人はeSIMも検討してみましょう。
ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
楽天モバイルでは以下の手続きをWebや専用アプリからサクッとできます。
- 契約
- 解約/MNP転出
- オプション申し込み/解除
- 支払い方法の変更
- SIMの再発行/交換
- データ通信量チャージ
- 契約情報(メールアドレスや住所など)の変更
わざわざサポートへ連絡したり、ショップへ行ったりしなくていいのは楽ですね。
eSIMの場合、他の端末へ移行する際は再発行しないといけません。
楽天モバイルならウェブから即再発行手続きが可能です。

筆者みたいに利用する端末をころころ変える人間にはありがたいです。
もちろん再発行手数料はかかりません。
楽天ポイントが貯まる・使える
楽天モバイルを契約すると楽天グループの共通ポイント「楽天ポイント」が貯まりやすくなります。
- 利用料100円につき1ポイントたまる
- 楽天市場のポイント還元率が最大3.0%アップ
- キャリア決済の支払い額の10%ポイント還元
契約するだけで楽天市場のポイント還元率が+2.0%されます。
ダイヤモンド会員なら+3.0%と大幅アップです。
楽天モバイルはキャリア決済も利用可能です。
利用できるのはGoogle Playだけに限られますが、支払い金額の10%がポイント還元されます。
毎月ゲームに課金するような人なら、ポイントがたくさん貯まってお得です。
ポイントが貯まるだけでなく、貯まったポイントを楽天モバイルの支払いに充てることも可能です。

期間限定ポイントを使えるので、余ったポイントの消化にも役立ちますね。
LINEのID検索に対応

楽天モバイルはLINEのID検索が利用可能です。
これまで大手キャリア以外でLINEのID検索を使えるのはLINEモバイルとY!mobileに限られていました。
2021年3月にリリースされたLINEのバージョン11.4以降では楽天モバイルでも本人確認が可能です。
LINEの友達追加はID検索以外でもできますが、なんだかんだID検索が楽です。
ID検索ができなくて大手キャリア以外を敬遠していた人も、これからは気にせず申し込めますね。
以前はAndroid版のみ年齢確認できましたが、現在はiOS端末でも利用可能です。
楽天モバイルのデメリット
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)のデメリットは以下の通りです。
- 対応エリアがやや狭い
- 低速通信も通信量にカウントされる
- Rakuten Linkは通話品質があまり良くない
- iOS版Rakuten Linkは着信履歴が残らない
対応エリアがやや狭い
楽天モバイル最大のデメリットは対応エリアの狭さです。
実は楽天モバイルの対応エリアには大きく2つの種類があります。
- 楽天回線エリア
楽天モバイルが保有する回線を利用 - パートナー回線エリア
au回線を利用
このうち、データ通信を無制限に使えるのは楽天回線エリアのみです。
楽天回線エリア外、つまりパートナー回線エリアでは月5GBまでしか高速通信を使えません。
データ通信の使い放題が目当ての場合は、自宅やその周辺が楽天回線エリアかチェックした上で契約してください。
対応エリアは公式サイトからチェックできます。
低速通信も通信量にカウントされる
楽天モバイルでは低速通信も利用した通信量にカウントされます。
前述の通り、楽天モバイルは利用したデータ通信量が多いほど月額料金も高くなる仕組みです。
データ通信量 | 月額料金 |
---|---|
~3GB | 1,078円 |
3~20GB | 2,178円 |
20GB~ | 3,278円 |
5GBのデータ通信を使い切った時点での月額料金は2,178円です。
その状態で低速通信をガンガン使い、通信量が20GBを超えると3,278円になってしまいます。
低速通信しか使えないのに3,278円の料金がかかるのは少しもったいないですね。
データ通信量はMy 楽天モバイルから確認できます。

月額料金を節約したい人はこまめに確認し、データ通信を使いすぎないように注意してください。
1Mbpsの低速通信自体は快適
楽天モバイルの低速通信は最大1Mbpsと比較的速いです。
実際に測定してみると、確かにおおむね1Mbpsの速度が出ています。

1Mbpsでいろいろ試してみたところ、以下のような用途なら快適に使えました。
- LINEのトーク、音声通話
- SNS(Twitter)
- ゲーム(ドラクエウォーク)
- 音楽ストリーミング(Apple Music)
- YouTube(480p)
一般的な格安SIMの低速(200kbps)だとLINEやブラウジングがやっとですが、1Mbpsなら結構いろんなことができます。
YouTubeも480p(標準画質)なら途中で止まることなくスムーズに再生可能です。
ただし、さきほどお伝えした通り低速通信もデータ通信利用量にカウントされます。
使いすぎると月額料金が高くなるので要注意です。
Rakuten Linkは通話品質があまり良くない
完全無料でかけ放題が魅力のRakuten Linkですが、通話品質はあまり良くありません。
相手の声がブツブツ途切れたり、聞き取りづらくて聞き返したりすることが結構あります。
「品質が悪すぎて全く会話できない」というレベルではありません。
ただ、ビジネスなど大事な電話での利用は避けた方が良いでしょう。
iOS版Rakuten Linkは着信履歴が残らない
iPhoneで楽天モバイルを利用する際は「着信履歴が標準アプリに残る」点に注意してください。
楽天モバイルのかけ放題はRakuten Linkアプリからの発信が条件です。
少し厄介なのが不在着信への折り返しです。
iOS版Rakuten Linkは仕様が変更され、着信履歴が標準アプリに残るようになりました。
着信履歴からそのまま折り返すと標準アプリから発信され、通話料がかかります。
通話料をかけずに折り返す場合は、
- 標準アプリの着信履歴から電話番号をコピーする
- Rakuten Linkに貼り付けて発信する
という手順を踏む必要があります。
iPhoneで頻繁に電話を利用する人だと手間ですね。
楽天モバイルのキャンペーン
2023年5月現在、楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)で実施中のキャンペーンは以下の通りです。
ポイント還元や端末代割引など、お得なキャンペーンが目白押しです。
楽天モバイルが初めての人はもちろん、2回目以降の契約で使えるキャンペーンもあります。
ただし、キャンペーンが多い分だけ適用条件が複雑です。
また、人気の端末は在庫切れで買えないことが良くあります。
目当ての端末がある人は、早めの購入がおすすめです。
楽天モバイルのよくある質問
- Q口座振替で支払える?
- A
支払えます。ただし、毎月110円の口座振替手数料がかかります。
- Q解約方法は?
- A
my 楽天モバイルで解約可能です。[契約プランを表示]→[各種手続き]→[解約]の順に進んでください。
- Q留守番電話は使える?
- A
使えます。MVNOと違い、標準で留守番電話が使えます。月額料金も無料です。
まとめ
以上、楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT VII)のレビューでした。
- 大手キャリアの格安プランよりもお得
- 専用アプリ利用で電話もかけ放題
- 海外でも無料で使える
- 初期費用や違約金などの手数料は全て無料
- 通信速度もまずまず安定している
- iPhoneにも正式対応
- eSIMなら5分ほどで利用可能になる
- ほとんどの手続きがWebでサクッとできる
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- LINEのID検索に対応
- 対応エリアがやや狭い
- 低速通信も通信量にカウントされる
- Rakuten Linkは通話品質があまり良くない
- iOS版Rakuten Linkは着信履歴が残らない
1GB以下0円はなくなりましたが、格安でデータ通信も電話も使い放題です。
通信品質には問題があるものの、この安さは大きな魅力と言えます。
とにかく安くスマホを使いたい人や楽天市場のヘビーユーザーには楽天モバイルがおすすめです。
契約縛りや違約金は一切ないので、気になったらとりあえず試してみましょう。
無制限プランとしては破格の安さです。