AQUOS wish2はシャープから発売されてるエントリークラスのスマホです。
2022年1月に発売された初代AQUOS wishのマイナーチェンジ版で、見た目や基本機能はほとんど変わりません。
しかし、スマホの頭脳とも言えるSoCがSnapdragon 480 5Gから695 5Gにグレードアップし、処理性能が向上しました。
おサイフケータイ対応や高い耐久性はそのままに、使い勝手が良くなりました。
そんなAQUOS wish2の評価をまとめました。
本記事ではAQUOS wish2を実際に購入した筆者が、良かったところ・イマイチなところを詳しくレビューします。
シンプルかつサラサラなボディ
さっそくAQUOS wish2の外観からチェックです。
今回はオリーブグリーンのカラーをチョイスしました。
外観デザインは初代AQUOS wishからほぼ変わっていません。
間違い探しレベルです。
初代同様、良くも悪くもシンプルなデザインです。
マットな質感で触り心地は良い感じですが、やや安っぽいのは否めません。
デザインにこだわる人は、家電量販店などで実物をチェックしましょう。
筆者的には派手すぎない落ち着いた緑色が結構好みです。
右側面には音量ボタン、アシスタントボタン、電源ボタン、指紋センサーが配置されています。
このごちゃごちゃ感も初代wishのままです。
シンプルなデザインが台無しなので、ここは改善してほしかったところです。
左側面にはSIMカードスロットがあります。
本体上部にはイヤホンジャックがあります。
底面にはスピーカーとUSB-Cポートが配置されています。
ディスプレイは5.7インチの液晶ディスプレイです。
パンチホールではなくノッチを採用しており、ベゼルも太めです。
全画面でゲームや動画視聴する際は、ベゼルがやや気になります。
このあたりはコスト削減のため、と割り切るしかありませんね。
ここ最近のAndroidスマホとしてはサイズが小さく、重量も約162gと軽めです。
大きなスマホが苦手な人でも問題なく使えますね。
付属品は説明書とUSBアダプタのみ
AQUOS wish2の付属品は各種説明書とUSBアダプタのみです。
筆者はワイモバイル版を購入しましたが、他キャリア版も同様です。
必要なものは別途購入してください。
筆者はクリアケースと保護フィルムを追加で購入しました。
エレコム製のハイブリッドケースですが、本体にしっかりフィットします。
側面が柔らかく、着脱しやすいのも〇
価格も安いので、ハイブリッドケースを使いたい人におすすめです。
AQUOS wish2のスペック
AQUOS wish2のスペックは以下の通りです。
スペック | AQUOS wish2 |
---|---|
カラー | オリーブグリーン アイボリー チャコール ホワイト ブルー コーラル |
サイズ | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約8.9mm |
重さ | 約162g |
ディスプレイ | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) |
リフレッシュレート | 60Hz |
OS | Android 13 (要アップデート) |
SoC | Snapdragon 695 5G |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
アウトカメラ | 1,300万画素(f/2.0) |
インカメラ | 800万画素(f/2.0) |
バッテリー | 3,730mAh(USB PD3.0対応) |
対応SIM | nanoSIM + eSIM ※ドコモ版はnanoSIMのみ |
DSDV | 〇 |
5G | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 |
防水・防塵 | IPX5/IPX7/IP6X |
おサイフケータイ | 〇 |
エントリー機ながら、ミドル機での採用が多いSnapdragon 695 5Gを搭載しています。
処理性能は同価格帯の他社スマホより1ランク上です。
上位モデルに比べると画面のスクロールやアプリの切り替えはモッサリしていますが、普段使いならそこまで困ることはありません。
それでもブラウジングやSNS、動画視聴くらいならこなせます。
メモリとストレージはやや少なめです。
とくにストレージは最近だとエントリー機でも128GB積んでいることが珍しくないため、やや物足りません。
Antutuは35万点前後
AQUOS wish2で主要なベンチマークテストを試してみました。
Antutuスコアは35万点前後です。
エントリー機としては比較的高いスコアで、ミドル機にも迫ります。
続いてはGeekbench 6とPCMark for Androidです。
こちらもミドル機に近いスコアを記録しています。
2万円以下で買える機種としては破格のスコアです。
軽いゲームならプレイOK
AQUOS wish2はあくまでもエントリー機のため、負荷の大きい3Dゲームはプレイできません。
原神などをプレイする場合は、もっとスペックが高いスマホがおすすめです。
動作が軽い2Dゲームなら問題なくプレイできます。
実際に、AQUOS wish2でいくつかゲームを試してみました。
モンスターストライク
まずは2Dゲームのモンストをプレイしてみました。
動作は全く問題なく、快適にプレイできます。
友情コンボやストライクショットの演出でもとくに重くなることはなく、サクサク快適です。
2Dゲームなら、AQUOS wish2でも十分プレイできますね。
FGO(Fate/Grand Order)
次はFGO(Fate/Grand Order)です。
こちらも問題なくプレイできました。
画面の遷移やミッション報酬の受け取りはやや読み込みが入りますが、戦闘は全く問題ありません。
オダチェンや宝具演出もスムーズです。
「高品質」設定でもサクサク動くので、周回もはかどります。
原神
高負荷で知られる原神もプレイしてみましたが、やはりAQUOS wish2では厳しめです。
デフォルトの低画質でもカクカクしますし、かなり発熱しました。
少しでも画質やフレームレートを上げると高負荷になるので、高画質はもちろん中画質でのプレイも厳しいでしょう。
やはり3Dゲームを快適にプレイしたい人には、AQUOS wish2は向きません。
最低でもSnapdragon 778Gあたりを搭載するスマホを選びましょう。
逆にゲームをしない人、あるいはしても軽い2Dゲームくらいの人ならAQUOS wish2の処理性能でも十分です。
防水・防塵+MIL規格準拠の高耐久
タフネスボディで壊れにくいのも、AQUOS wish2の魅力です。
IPX5/IPX7/IP6Xの防水・防塵に対応しています。
最高等級ではないものの、濡れた手で触ったり雨がかかったりするくらいはへっちゃらです。
さらに、米国国防総省の調達基準「MIL規格」に準拠しています。
AQUOS wish2は防水・防塵だけでなく耐衝撃(落下)や低温/高温動作など、全18項目のテストをクリアしています。
高さ1.22mから26方向で落下させる試験を突破しており、地面に落としても壊れにくくなっています。
スマホを落とすとヒヤッとしますが、高耐久なAQUOS wish2なら安心ですね。
絶対に壊れない保証はないので、乱暴に使うのはやめましょう。
AQUOS wish2のカメラをチェック
AQUOS wish2のアウトカメラは1300万画素のシングルカメラです。
数値だけ見ると高性能とは言えないカメラですが、明るい所ではまずまずの写真を撮影できます。
「撮れればなんでもOK」という人なら満足できるクオリティです。
明るい所では普通に撮れる
以下はAQUOS wish2のオートモードで撮影した作例です。
全体的にちょっと明るさが足りない気がしますが、許容範囲内です。
2万円以下で買えるエントリー機としては、十分ではないでしょうか。
ズームは倍率が分からず画質も△
AQUOS wish2は最大8倍のデジタルズームに対応しています。
望遠レンズがないため、光学ズームはできません。
しかもなぜかズーム倍率が表示されない仕様です。
今何倍までズームしているのかが分からず、ちょっと不便ですね。
肝心なズームの画質ですが、2~3倍(推定)くらいまではそれなりにキレイです。
最大ズームは荒くなります。
エントリー機なのでしょうがないですが、ズーム性能はあまり良くありませんね。
夜景モードは明るさが不自然
AQUOS wish2は暗所撮影用の「夜景モード」を搭載しています。
夜景モードを使うと、確かに通常より明るく、かつノイズの少ない写真を撮影可能です。
不自然に明るくて白飛びしてしまうこともチラホラあります。
やはり、上位モデルのようにはいきませんね。
しかも夜景モードの撮影は時間がかかります。
手振れ補正もそこまで良くないので、ぶれないように撮るのも一苦労です。
価格の安さを考えると、カメラ性能も頑張っているとは思います。
ただ、やはりカメラにこだわりたい人には向きませんね。
逆に「明るい所で普通に撮れれば良い」という人なら、AQUOS wish2のカメラでも十分でしょう。
バッテリーをチェック
AQUOS wish2のバッテリー容量は3,730mAhです。
最近では4,000mAh以上が当たり前で、5,000mAh前後の容量を持つスマホも珍しくありません。
それを考慮するとAQUOS wish2はバッテリー容量がやや少な目ですが、電池持ちや充電速度はどうなのでしょうか。
実際に検証してみました。
容量は少ないが電池持ちは良好
まずはPCMark for Android(以下PCMark)を利用し、AQUOS wish2のバッテリー持ちをテストしてみました。
PCMark for Android Benchmark
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以下の条件でPCMarkを実行し、バッテリーが100%から20%に減るまでにかかった時間を計測します。
テストの結果は14時間3分でした。
半日以上使い続けても、20%のバッテリーが残る計算です。
3,730mAhというバッテリー容量の割には、電池持ちは悪くありません。
実際に100%まで充電して半日(12時間)利用しましたが、50%以上残っていました。
ゲームや動画視聴を長時間利用する人でなければ、丸1日は充電なしでも余裕ですね。
急速充電対応で90%までは速い
続いては充電速度のテストです。
先ほどの実験で電池が20%になった状態から、100%になるまでの時間を計測しました。
AQUOS wish2にはケーブルやACアダプタが付属していません。
今回は筆者の私物であるAnkerのUSBケーブルおよびACアダプタを利用しています。
測定の結果は以下の通りです。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 22分 |
80% | 49分 |
90% | 1時間5分 |
100% | 1時間59分 |
49分で80%まで充電できました。
急速充電に対応しており、USB PD3.0規格の充電器なら素早く充電可能です。
電池持ちが良いので、70~80%まで充電すれば1日持ちますよ。
ちなみに、90%以降はバッテリーへの負荷を抑えるためか充電が極端に遅くなります。
何度も言うように電池持ちが良いので、90%くらい貯まったら十分でしょう。
ワイヤレス充電には非対応
AQUOS wish2はワイヤレス充電に対応していません。
ワイヤレス充電は基本的にミドルハイ以上のスマホで対応している機能です。
エントリー機であるAQUOS wish2で非対応なのはしょうがないでしょう。
生体認証は指紋認証のみ
AQUOS wish2の生体認証は指紋認証のみです。
顔認証には対応していません。
肝心な指紋認証ですが、認証してから実際に解除されるまで一呼吸置く感じです。
上位モデルの高速な指紋認証に慣れている人だとストレスを感じるかもしれません。
精度は悪くないので、価格を考えると許容範囲内ですね。
nanoSIM + eSIMのDSDV対応
AQUOS wish2はnanoSIMとeSIMに対応しています。
2枚のSIMカードを同時に待ち受けるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)にも対応しています。
仕事とプライベートで電話番号を使い分けたい時や、障害に備えて予備回線を保有したい時に便利です。
ドコモ版はeSIM利用不可
AQUOS wish2はドコモ、ワイモバイル、au/UQモバイルからリリースされています。
このうち、ドコモ版のみeSIMに対応していません。
物理SIMカード1枚しか使えないため、DSDVも利用不可です。
DSDVを利用したいならワイモバイル版を購入してください。
対応バンドはほぼ違いなし
AQUOS wish2は対応バンドもキャリアで違います。
とはいえ、以前の「バンド縛り」と呼ばれるほどの差ではありません。
対応バンド | ワイモバ版 | au/UQ版 | ドコモ版 |
---|---|---|---|
5G | n3 / 28 / 77 / 78 | n28 / 77 / 78 | n28 / 77 / 78 / 79 |
4G | B1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 18 / 19 / 38 / 39 / 41 | B1 / 2 / 3 / 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 18 / 19 / 39 | |
3G | B1 / 5 / 8 | B1 / 2 / 5 / 8 | |
GSM | 850 / 900 / 1,800 / 1,900MHz |
ワイモバイル版とau/UQ版の対応バンドはほぼ同じです。
ドコモ版も、5Gのn79対応&4GのB41非対応以外は変わりません。
どのキャリアで購入しても、3キャリア+楽天モバイルの全回線が利用可能です。
AQUOS wish2とwish3の違い
AQUOS wish3はAQUOS wish2の後継モデルです。
見た目や基本スペックはwish2からさほど変わっておらず、マイナーチェンジに留まっています。
AQUOS wish3とAQUOS wish2のスペックを一覧表にまとめました。
スペック | AQUOS wish2 | AQUOS wish3 |
---|---|---|
カラー | オリーブグリーン アイボリー チャコール ホワイト ブルー コーラル | グリーン ホワイト ブラック |
サイズ | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約8.9mm | 幅約70mm 高さ約147mm 厚さ約8.9mm |
重さ | 約162g | 約161g |
ディスプレイ | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) |
リフレッシュレート | 60Hz | 60Hz |
OS | Android 13 (要アップデート) | Android 13 |
SoC | Snapdragon 695 5G | Dimensity 700 |
メモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ | 64GB | 64GB |
アウトカメラ | 1,300万画素(f/2.0) | 1,300万画素(f/2.0) |
インカメラ | 800万画素(f/2.0) | 500万画素(f/2.2) |
バッテリー | 3,730mAh(USB PD3.0対応) | 3,730mAh(USB PD3.0対応) |
対応SIM | nanoSIM + eSIM ※ドコモ版はnanoSIMのみ | nanoSIM + eSIM |
DSDV | 〇 | 〇 |
5G | 〇 | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 | 5.3 |
防水・防塵 | IPX5/IPX7/IP6X | IPX5/IPX7/IP6X |
おサイフケータイ | 〇 | 〇 |
生体認証 | 指紋認証 | 指紋認証(ドコモ版のみ) 顔認証 |
主な違いは以下の4つです。
AQUOS wish3では、SoCがSnapdragon 695 5GからDimensity 700へ変更されています。
エントリークラスのSoCで処理性能はSnapdragon 695 5Gより低め…ですが、実際に使うとほぼ差はありません。
むしろ最適化されていたのか、wish3のほうがサクサク動くように感じました。
生体認証にも違いがあり、AQUOS wish2は指紋認証でしたが、AQUOS wish3は顔認証に対応します。
ドコモ版AQUOS wish3のみ、顔認証と指紋認証の両対応です。
その他に、子供が使う際に便利なジュニアモードを利用できます。
指紋認証より顔認証が良い人や、ジュニアモードを使いたい人はAQUOS wish3を検討しましょう。
ドコモ・ワイモバイル・楽天モバイル、およびその他の格安SIM事業者から購入できます。
指紋認証で問題ない人やジュニアモードが不要なら、ぶっちゃけAQUOS wish2がおすすめです。
そこまで大きな違いはないため、「最新機種だから」という理由でAQUOS wish3を買う必要はありません。
AQUOS wish2の購入場所と価格
AQUOS wish2の主な購入場所は以下の通りです。
ワイモバイルなら一括1円
AQUOS wish2は大手キャリアおよびサブブランドで取り扱われています。
その中でもおすすめはワイモバイルです。
キャリア | 販売価格 | MNP乗り換え時 |
---|---|---|
ドコモ | 22,000円 | 5,500円 |
au | 販売終了 | |
UQモバイル | 販売終了 | |
ワイモバイル | 23,760円 | 1円 |
他社からワイモバイルのシンプルM/Lプランに乗り換えると、一括1円で購入できます。
単体購入ならドコモ版も安いですが、eSIMに対応していません。
AQUOS wish2は、eSIM対応かつ安く買えるワイモバイルがおすすめです。
白ロム相場は1万~1.5万円前後
AQUOS wish2の白ロム相場は1万~1.5万円前後です。
とくにeSIM非対応のドコモ版は安く買えます。
eSIM/DSDVが不要な場合はドコモ版でも良いでしょう。
まとめ
以上、AQUOS wish2のレビューでした。
エントリー機ながらSnapdragon 695 5Gを搭載しています。
低価格帯のスマホとしては処理性能が高く、ゲームをしないなら普通に使えるでしょう。
ミドル以上の機種に比べるとモッサリしていますが、エントリー機なら合格です。
おサイフケータイ対応で高耐久、さらに電池持ちも良好です。
実売1万円台と考えると、コストパフォーマンスも悪くありません。
できるだけ予算をかけずにおサイフケータイ・防水対応のスマホを使いたい人におすすめです。