2017年の終わりごろから「ARM版Windows 10」という言葉をよく聞くようになりました。
最近ではARM版Windows 11も登場しています。
なんとなくどういったものか分かっていたのですが、正直詳しくは知りませんでした。
そこで、自分なりにARM版Windows 10について調べ、まとめてみました。
といった疑問を持っている方は、ぜひ参考にしてください。
ARM版Windows 10とは?
ARM版Windows 10/11を一言で言うと「モバイル用CPUで動作するWindows」のことです。
モバイル用とは、スマホやタブレットで利用されるCPUのことを言います。
代表的なのは多くのAndroidスマホで搭載されている、Qualcomm社のSnapdragonですね。
厳密なことを言うとアーキテクチャがどうとか出てきますが、そんな難しいことは気にする必要はありません。
「スマホやタブレットで使われているCPUが搭載されたWindowsマシンなんだな」って思っておけばOKです。
ARM版Windows 10/11の特徴
ARM版Windows 10/11の特徴をまとめるとこんな感じです。
使い勝手は通常のWindowsに近い
ARM版Windows 10/11は使い勝手が通常のWindows 10/11に近いものになっています。
従来のARM版Windowsは通常のWindowsとは使い勝手が異なるのがデメリットでした。
Windows 8時代に登場した「Windows RT」などがそうですね。
Windows RTではWindowsストアからインストールするアプリしか使えません。
普段使っているWindows用のアプリが利用できないわけですね。
対して、ARM版Windows 10/11は通常のWindows用アプリが動作します。
基本的な使い勝手は通常のWindows 10/11とさほど変わりません。
通常のWindows用アプリはARMプロセッサで動きませんが、ARM版Windows 10/11ではエミュレータがWindows用アプリを動かしています。
バッテリーの持ちが良い
ARM版Windows 10/11は、通常のWindows 10/11よりもバッテリー持ちが良好です。
パソコン用のCPUと比べると、スマホ用のCPUは消費電力が抑えられています。
結果的に、バッテリー持ちも向上するわけです。
ARM版Windows 10/11の場合はバッテリー持ちが良く、1回の充電で24時間近く稼働する機種もあります。
これなら2~3日くらい充電しなくても良さそうですね。
スマホのように常にネットに接続できる
ARM版Windows 10/11はスマホのように常にネットに接続できます。
スリープ中も常にインターネットに接続され、通知やメールなどを受け取ることが可能です。
しかも多くの機種がLTEに対応しています。
外出先でもテザリングやポケットWi-FiなしでOKです。
マイクロソフトはこれを「Always Connected PC」と呼んでいます。
Instantly On(瞬時起動)、Always Connected(常時接続)、1 週間のバッテリー駆動時間が、ユーザーの自由度を高めます
引用元:Microsoft公式
バッテリーが長持ちして、常にインターネットに接続されている。
「スマホのように使えるパソコン」と言っていましたが、まさにその通りですね。
ARM版Windows搭載製品は少ない
肝心なARM版windows 10/11搭載製品ですが、現時点ではほとんどありません。
バッテリー持ちやAlways Connected PCなど魅力もあります。
一方でIntel/AMDのCPUと比べて処理性能で勝るわけでもなく、価格も割高です。
AppleがMacに搭載する「Appleシリコン」に比べると、あまり普及しているとは言えません。
22年秋に搭載モデルが続々登場
これまで搭載機種が少なかったARM版windowsですが、2022年秋ごろからARM版windows 11搭載機種が複数リリースされています。
ThinkPad X13s Gen 1とSurface Pro 9 with 5Gにいたっては5G通信もサポートしています。
今後は5Gを利用できるARM版Windows 11が増えてくるかもしれません。
ARM版Windows 10は互換性に注意
ARM版Windows 10は64ビットアプリが動作しないというデメリットがあります。
一時はARM版Windows 10でもエミュレータを使えば64ビットアプリが使えるはずでした。
しかし、いつの間にか64ビットアプリのエミュレータはARM版Windows 11向けになっています。
Updated 11/16/2021: x64 emulation for Windows is now generally available in Windows 11. For those interested in experiencing this, a PC running Windows 11 on Arm is required.
引用元:Microsoft
ガバガバ翻訳すると「x64エミュレーションを使うにはWindows 11が必要だ」と書かれています。
ARM版Windowsを使う際は、Windows 10ではなくWindows 11にアップデートしたほうが良いでしょう。
まとめ
というわけで、筆者なりにARM版Windows 10/11についてまとめてみました。
ざっくり言えば電池持ちが良くて常にネットにつながっているWindowsパソコンです。
Windows 11なら64ビットアプリも使えるので、実用性もそれなりにありますね。
あとは対応機種が増えてくれることを祈りましょう。