2017年の終わりごろから「ARM版Windows 10」という言葉をよく聞くようになりました。
なんとなくどういったものかわかっていたのですが、正直詳しくは知りませんでした。
そこで、自分なりにARM版Windows 10について調べ、まとめてみました。
ARM版Windows 10とはモバイル用CPUで動作するWindowsのこと
ARM版Windows 10を一言で言うと「モバイル用CPUで動作するWindows」のことです。
モバイル用とは、スマホやタブレットで利用されるCPUのことを言います。
厳密なことを言うとアーキテクチャがどうとか出てきますが、そんな難しいことはどうでもいいです(良くないけど)。
とりあえず、「スマホとかタブレットで使われているCPUが搭載されたWindowsマシン」ってことです。
ARM版Windows 10の特徴
ARM版Windows 10の特徴をまとめるとこんな感じです。
- 使い勝手は通常のWindows 10に近い
- バッテリーの持ちが良い
- スマホのように常にネットに接続できる
使い勝手は通常のWindows 10に近い
これまでもARM版と呼ばれるWindowsはいくつかありましたが、通常のWindowsとは使い勝手が異なるというデメリットがありました。
最近だとWindows 8時代に登場した「Windows RT」がそうですね。
Windowsストアからしかアプリをインストールできず、普段使っているWindows用のアプリが利用できませんでした。
そんな中途半端なものが人気になるはずがなく、すぐさま消えていきました。
それに対し、今回のARM版Windows 10はWindows用アプリが動くため、基本的な使い勝手は通常のWindows 10に近いです。
本来、通常のWindows用のアプリはARMプロセッサでは動きません。
しかし、ARM版Windows 10ではエミュレータが動作してWindows 10用アプリをARMプロセッサで動かせるようにしているようです。
ただ「使えるのは32bitのプログラムのみ」とのこと。
64bitのプログラムは動かないようです。
うーむ、これはちょっと痛い。
バッテリーの持ちが良い
ARM版Windows 10は、通常のWindows 10よりもバッテリーの持ちが非常に良いようです。
パソコン用のCPUと比べると、スマホ用のCPUは消費電力が非常に少ないからです。
確かに、スマホは(使い方にもよるが)一度充電すれば1日くらいは軽く持ちます。
最近のノートパソコンはバッテリー持ちが良いものもありますが、それでも長くて12時間くらい。
基本的には毎日充電が必要です。
ARM版Windows 10の場合はバッテリー持ちがかなり良く、機種によっては稼働時間が22時間もあるそう。
これなら2~3日くらい充電しなくても良さそうですね。
スマホのように常にネットに接続できる
個人的にARM版Windows 10最大の特徴ともいえるのが「スマホのように常にネットに接続できる」ことです。
ARM版Windows 10はスリープ中も常にインターネットに接続され、通知やメールなどを受け取れるようです。
しかもLTEに対応しているので、外出先でもテザリングやポケットWi-Fiなどを使わなくてもインターネットができます。
マイクロソフトはこれを「Always Connected PC」と呼んでいます。
バッテリーが長持ちして、常にインターネットに接続されている。
「スマホのように使えるパソコン」と言っていましたが、まさにその通りですね。
ARM版Windows 10の懸念点
色々と面白そうなARM版Windows 10ですが、いくつか懸念点や心配事もあります。
スマホ用CPUでちゃんとWindowsが動作するのか?速度は?
いろいろと楽しみなARM版Windows 10ですが、気がかりなのは
- ちゃんと動作するのか?
- 処理速度はどうなのか?
という点ですよね。
スマホ向けCPUでもSnapdragon 835なんかはハイスペックスマホに搭載されるもので、比較的性能は高いです。
でも、さすがにパソコン向けのCPUに勝てるとは思えない。
それに、通常のWindows用のアプリを使う際はARMプロセッサでも動作するようにエミュレータを介さないといけません。
それがボトルネックになって起動が遅くなるのではないか?という心配もあります。
- 稼働時間が長い
- 常にネットに接続される
この2つの特徴を踏まえると、ARM版Windows 10は持ち運びがメインのサブ端末になるでしょう。
それなら馬鹿みたいに高いスペックである必要はありません。
でもせめてOfficeやブラウザくらいはサクサクと動作してほしいですが、果たしてどうなることやら。
こればっかりは出てみないとわかりませんね。
早く店頭で触れてみたいです。
追記:現時点ではほとんど製品は出回っていない
最初にこの記事を執筆して1年程経ちました。
その後ARM版windows 10はどうなったかというと、ほとんど製品が出ていません。
ASUSやHPが先行して製品を出したみたいですが、あまり話題にもならず。
2019年10月現在は調べてもレノボのYoga C630くらいしか見当たりません。
レノボ・ジャパン (Lenovo JAPAN) モバイルノートPC Yoga C630 81JL0014JP [Snapdragon 850・13.3インチ・UFS 128GB・メモリ 4GB]
売り上げランキング: 11,846
やはり、64bitのプログラムがダメなことや、処理速度が遅いことが原因でしょう。
コンセプト自体は悪くないと思うんですけどね。
まとめ
というわけで、僕なりにARM版Windows 10についてまとめてみました。
ざっくり言えば電池持ちが良くて常にネットにつながっているWindowsパソコンということですね。
結構期待していたのですが、2019年終盤になっても製品はほとんど出回っていないという悲しい状態。
ただ、つい昨日SnapdragonをベースにしたCPUを搭載した「Surface Pro X」が発表されました。
詳細は不明ですが、なかなか面白そうな機種です。
これを機に、またARM版Windows 10が盛り上がってほしいですね。
コメント