AQUOS wishはSHARPから発売されているSIMフリースマホです。
ミドルレンジの「AQUOS sense」シリーズよりも下位に位置付けられます。
いわゆる「エントリークラス」のスマホですね。
「エントリースマホは性能が低すぎて使いづらそう」と思うかもしれません。
しかし、AQUOS wishはエントリースマホの中でもそれなりに使いやすいスペックです。
本記事では、筆者がワイモバイルで実際に購入したAQUOS wishを本音でレビューします。
後継モデルである「AQUOS wish2」のレビューはこちらです。
マットで落ち着いたデザイン
さっそくデザインからです。
今回は「オリーブグリーン」を購入しました。
マットな仕上がりのグリーンで落ち着いた印象です。
少しザラザラとした変わった質感と触り心地で、結構気に入っています。
ただ、ガラスボディのスマホと比べると安っぽく見えるかもしれません。
一方で、筆者の家族からは「カワイイ」と評判です。
このあたりは人によって好みが分かれますね。
背面左上にはアウトカメラ、さらにその右下にFelicaマークです。
個人的にちょっと気になったのが側面のボタン配置です。
右側面にはボタンが4つも配置されています。
- 音量ボタン
- アシスタントキー
- 電源ボタン
- 指紋認証センサー
せっかくシンプルなデザインなのに、側面がごちゃついているのは残念です。
アシスタントキーと電源ボタンを押し間違えることが多々あります。
慣れの問題ですが、スマホは日常で頻繁に使うものなのでちょっとしたことがストレスです。
左側面はSIMカードスロットのみです。
従来モデル同様、SIMピンなしで取り出せます。
底面にはUSB-Cポート。
上部にはイヤホンジャックがあります。
筆者はワイヤレスイヤホンしか使いませんが、有線イヤホンを使う人にはうれしいですね。
本体サイズは比較的コンパクトで、片手でも持てます。
厚みがある分、サイズの割にはやや重みを感じます。
それでもここ最近のAndroidスマホの中ではかなり軽量な部類ですね。
女性やシニア層でも使いやすいサイズ感・重さと言えます。
分厚いベゼルがやや目立つ
続いてはディスプレイです。
AQUOS senseシリーズと異なり、指紋認証センサーが側面に移行しました。
これだけでかなりすっきりした印象です。
ただ、ベゼルはかなり太めです。
とくに下部のベゼルは「実は指紋認証センサーがあるのでは?」と思う太さ。
普段ベゼルが狭いモデルを使っていると気になるかもしれません。
付属品はほとんどなし
AQUOS wishの付属品はデータ移行用のアダプターと取扱説明書のみです。
保護フィルムやケースはおろか、ACアダプタやUSBケーブルもありません。
筆者は保護フィルムとケースは自分で購入しました。
必要なものは自分で用意してください。
AQUOS wishのスペック
AQUOS wishのスペックをまとめました。
なお、今回はY!mobileで購入したためY!mobile版のスペックを記載しています。
スペック | AQUOS wish(ワイモバイル版) |
---|---|
カラー | オリーブグリーン アイボリー チャコール |
サイズ | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約8.9mm |
重さ | 約162g |
ディスプレイ | 約5.7インチ,HD+(1,520×720) |
リフレッシュレート | 60Hz |
OS | Android 11 |
SoC | Snapdragon 480 5G |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
アウトカメラ | 1300万画素 |
インカメラ | 800万画素 |
バッテリー | 3,730mAh |
対応SIM | nanoSIM + eSIM |
DSDV | 〇 |
5G | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 |
防水・防塵 | IPX5/IPX7、IP6X |
おサイフケータイ | 〇 |
AQUOS wishはスペックを抑えたエントリーモデルです。
SoCにはSnapdragon 480を採用しています。
従来の400番台SoCから処理性能が向上しており、Snapdragon 600番台にも負けないパフォーマンスです。
筆者はAQUOS wishで以下の用途を主に使いましたが、とくに問題ありませんでした。
- ブラウジング
- YouTube
- Apple Music
- Google Map
- ゲーム(動作が軽い2Dゲーム)
上位モデルに比べるとアプリの起動・切り替えはややモッサリしています。
普段ミドルハイ~ハイエンドクラスを使っている人だと物足りません。
また、国内で需要の高い防水・おサイフケータイにもしっかり対応しています。
防水・おサイフケータイが必須な人にはうれしいですね。
Antutuスコアは約30万
ベンチマークソフト、Antutuを走らせてみたところスコアは約30万でした。
Snapdragon 690 5Gを搭載したAQUOS sense5Gを超えるスコアですね。
エントリークラスでこのスコアは驚きです。
Geekbenchはマルチコアスコアが1512です。
スコア的にはミドルクラスと言っても過言ではないでしょう。
3Dゲームのプレイには向かない
AQUOS wishでいくつかゲームも試してみました。
やはり、負荷の大きい3Dゲームのプレイは難しいと感じました。
すぐ発熱しますし、動きもカクカクです。
ウマ娘にいたっては相性が悪いのかスペック不足なのか、しょっちゅうアプリが落ちてしまいます。
以下は高負荷で知られる原神をプレイした動画です。
プレイできなくはありませんが、低画質にしてもカクツキがあります。
数分プレイしただけでかなり発熱もありました。
やはり3Dゲームのプレイには向きません。
ストレージが64GBなのも問題です。
ゲームを数個入れると容量が一杯になります。
例えばモンスト、ウマ娘、FGO、原神を入れると残り約4GBほどになりました。
ゲームをプレイするならSnapdragon 800番台、128GB以上のストレージ搭載のハイスペックモデルを購入するのがおすすめです。
AQUOS wishのカメラ性能
続いてはAQUOS wishのカメラ(アウトカメラ)をチェックします。
アウトカメラは1300万画素のシングルカメラです。
カメラアプリはGoogle製のCamera Goを採用しています。
Androidの軽量版である「Go Edition」向けに開発されたカメラアプリです。
シンプルなUIと軽い動作が特徴で、PixelシリーズのGoogleカメラと使い勝手はさほど変わりません。
設定画面も各項目の説明が書かれていて分かりやすいですね。
AQUOS sense5Gはシャッターを切ってから実際に保存されるまでタイムラグがあり、使いにくい印象でした。
Camera Goのおかげか、AQUOS wishはシャッターを切ってすぐに保存されます。
カメラアプリの使い勝手は悪くありません。
明るい所ならそれなりにキレイ
肝心な写真の出来栄えですが、アプリのおかげか明るい所ならそれなりにキレイに撮れます。
いくつか作例をどうぞ。
なお、作例はすべて記事掲載に合わせて画像サイズのみ変更、人が映っている場合はモザイクを入れています。
それ以外の加工・修正は一切していません。
AQUOS wishはポートレートモードを搭載しています。
明るい所ならポートレートも結構キレイですね。
背景もしっかりボケます。
夜景はイマイチ
明るい所ではそれなりに撮れるAQUOS wishのカメラですが、夜景はイマイチです。
夜間モードをオンにすると明るくはなります。
しかし、電灯や看板などは白飛びしていますし、全体的に不鮮明です。
夜景もキレイに撮りたいは、もっとカメラ性能の良いスマホを購入しましょう。
逆に「明るいところで普通に撮れれば良い」という人ならAQUOS wishでも問題ありません。
バッテリー持ち・充電速度をチェック
次はバッテリー性能をチェックします。
AQUOS senseシリーズは大容量バッテリーとIGZOのおかげで電池持ちが優秀です。
一方、AQUOS wishのバッテリー容量は3730mAhと特別多くはありません。
果たしてどのような結果になるのでしょうか。
電池持ちはやや物足りない
まずは以下の条件で電池持ちのテストを実施し、バッテリーが0%になるまでの時間を計測しました。
その結果がこちらです。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
1時間 | 91% |
2時間 | 81% |
3時間 | 70% |
4時間 | 59% |
5時間 | 49% |
6時間 | 38% |
0%になるまでの時間は9時間1分でした。
12時間以上再生し続けたAQUOS sense5Gと比べると物足りませんね。
動画視聴やゲームを長時間利用する場合は電池が1日持たないかもしれません。
PD対応で充電速度は良好
続いては充電速度のテストです。
さきほどのテストが終わって0%になった状態から充電にかかる時間を計測しました。
AQUOS wishにはUSBケーブルもACアダプタも付属していません。
そのため、今回のテストでは筆者が普段使っている以下のUSBケーブルとACアダプタを利用しました。
AQUOS wishは急速充電規格「USB PD」に対応しています。
今回のテストでもUSB PD対応ポートに接続して充電してみました。
充電速度テストの結果はこちら。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 42分 |
80% | 1時間7分 |
90% | 1時間21分 |
100% | 2時間12分 |
42分で50%まで充電できました。
90%までは1時間21分とスピーディです。
PD対応充電器があればかなり速く充電できます。
90%から100%までは約50分かかりました。
恐らく、過充電を防ぐために90%を超えると充電速度を落としているのでしょう。
それでも1時間ちょっとで90%前後充電できるなら十分速いと言えます。
nanoSIM + eSIMのDSDV対応
AQUOS wishは物理SIM(nanoSIM) + eSIMで同時に待ち受けできるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応しています。
eSIMはスマホに内蔵されているSIMのことです。
通常のSIMと違い、物理的なSIMカードなしで利用できます。
これまでキャリア版のスマホはDSDVやeSIMが潰されることがありました。
AQUOS wishはY!mobile版でもSIMフリー版同様にDSDV・eSIMが利用可能です。
実際にmineoの物理SIM+楽天モバイルのeSIMを試してみたところ、問題なく利用できました。
なお、SIMカードスロットは1つだけなので物理SIM2枚によるDSDVはできません。
DSDVを利用する場合はeSIMを活用してください。
AQUOS独自機能は健在
AQUOS wishでもAQUOSシリーズならではの独自機能が健在です。
「AQUOSトリック」としてまとめられていますよ。
例えば「Payトリガー」は任意のアプリを指紋センサー長押しで起動できる機能です。
Payとついていますが、決済系以外のアプリも指定できます。
Clip Nowはスクショをサッと撮れる機能です。
以前は横向きになぞる動作でしたが、今回は少し長押し→斜めという動作に変更されました。
以前の操作よりも誤動作が減って使いやすくなりました。
他にもゲームに役立つ機能をまとめた「ゲーミングメニュー」やアプリを素早く起動できる「クイック操作」など、便利な機能が満載です。
SIMフリー版とワイモバイル版の違い
筆者が購入したのはワイモバイル版のAQUOS wishですが、SIMフリー版とは以下の違いがあります。
違い①:対応バンド
ワイモバイル版とSIMフリー版では対応周波数帯が異なります。
通信規格 | ワイモバイル版 | SIMフリー版 |
---|---|---|
5G | n3/28/77/78 | n3/28/77/78/79 |
4G | B1/2/3/5/7/8/12/17/18/19/38/41 | B1/2/3/5/7/8/18/19/28/38/39/41 |
3G | B1/5/8 | B1/2/5/6/8/19 |
SIMフリー版と比べると対応バンドがやや少なめです。
とは言え、大手3キャリア+楽天モバイルの主要なバンドに対応しています。
他社のSIMも問題なく利用可能です。
試しにドコモ回線であるOCNモバイルONEのSIMを入れましたが、問題なく使えました。
違い②:キャリアアプリ
Y!mobile版にはY!メールをはじめとするY!mobileオリジナルアプリがプリインストールされています。
数はそこまで多くありませんが、不要なアプリが入っているのはやはり邪魔ですね。
しかも一部のアプリはアンインストール・無効化できません。
不要なアプリが入っているのが嫌な人はSIMフリー版を購入しましょう。
AQUOS wishとAQUOS wish2の違い
AQUOS wish2はAQUOS wishのマイナーチェンジ版です。
見た目はAQUOS wishとほぼ同じですが、スペックもほとんど変わりません。
唯一、スペックで異なるのがSoCです。
AQUOS wish2はAQUOS wishより少し高性能なSoCを搭載しています。
それ以外の点はほぼ同じなので、これから買うならぶっちゃけAQUOS wish2がおすすめです。
AQUOS wish2は別記事で詳しくレビューしています。
AQUOS wishの口コミ・評判
AQUOS wishに関する口コミ・評判をTwitterで集めてみました。
AQUOS wishの良い口コミ・評判
まずはAQUOS wishの良い口コミ・評判からです。
良い口コミは主に本体サイズに言及するものが見られました。
コンパクトで片手でも持ちやすいので、サイズ感を重視する人にピッタリです。
AQUOS wishの悪い口コミ・評判
続いては悪い口コミ・評判です。
やはり、価格が安いエントリーモデルなのでスペックは高くありません。
処理性能やカメラを重視する人はもう少しスペックの高いスマホがおすすめです。
スペックへのこだわりがなく、LINEや調べものなど最低限の用途が使えればOKならAQUOS wishでも満足できますよ。
AQUOS wishの販売価格
AQUOS wishは複数の格安SIMで取り扱いがあります。
2024年10月現在、AQUOS wishを取り扱っている主な格安SIMをまとめました。
格安SIM | 販売価格 |
---|---|
BIGLOBEモバイル | 25,872円 |
IIJmio | 28,480円 |
LIBMO | 35,640円 |
mineo | 29,832円 |
QTモバイル | 33,000円 |
UQモバイル | 販売終了 |
Y!mobile | 販売終了 |
エキサイトモバイル | 27,900円 |
イオンモバイル | 33,880円 |
おすすめはIIJmioです。
通常価格は28,480円ですが、MNPで乗り換えると19,800円で購入できます。
ただし、mineoならよりパワーアップしたAQUOS wish3もセール中は19,800円です。
同じ値段なら、AQUOS wish3のほうが絶対におすすめです。
まとめ
以上、ワイモバイル版AQUOS wishのレビューでした。
コンパクトボディと防水・おサイフケータイへの対応、そして価格の安さが魅力です。
エントリークラスなのでスペックは控えめですが、Snapdragon 480 5Gにより動きは悪くありません。
普段使いがメインのライトユーザーやシニア層ならとくに不満なく使えます。
ただし、現在はよりスペックアップしたAQUOS wish2およびwish3が登場しています。
よほどの理由がなければ、AQUOS wish2かwish3がおすすめです。
「3Dゲームをバリバリプレイしたい」「カメラにこだわりたい」という人でなければ十分おすすめできます。