Rakuten Hand 5Gは楽天モバイルオリジナルの5Gスマホです。
スリムなボディが売りで、片手でも楽に持てます。
とにかく小さなスマホを使いたい人にピッタリです。
名前も見た目も「Rakuten Hand」に似ていますが、あくまでも別の端末です。
おサイフケータイと防水・防塵にも対応しています。
ジョギングのお供やおサイフケータイ・テザリング専用機としてもおすすめです。
本記事ではRakuten Hand 5Gを実際に購入した筆者が、使って分かったメリットや気になるデメリットをレビューします。
手にすっぽり収まるスリムボディ
さっそく、Rakuten Hand 5Gの外観やサイズ感から見ていきましょう。
最大の特徴は横幅約63mmというスリムボディです。
「Hand」という名前の通り、手にすっぽり収まります。
筆者が持っているPixel 6aと比較してみました。
Pixel 6aもここ最近のスマホではややコンパクトな部類ですが、Rakuten Hand 5Gはそれより一回り小さいですね。
コンパクトボディで人気のiPhone SE(第2世代)とも比較してみました。
縦幅はほぼ同じですが、横幅はRakuten Hand 5Gが細いのが分かります。
この「横幅が狭い」というのがミソです。
スリムで片手でも持ちやすく、それでいて窮屈さは感じません。
筆者はこれまでRakuten mini(3.6インチ)をジョギング用に使っていました。
Rakuten miniは画面サイズが小さすぎて、文字入力も一苦労です。
Rakuten Hand 5Gはスリムですが小さすぎないので、文字入力も苦になりません。
もっと小さいスマホもありますが、携帯性と操作性のバランスを考えるとRakuten Hand 5Gはちょうど良いサイズだと感じました。
ジョギング用としても問題ないサイズです。
Rakuten Hand 5Gはテザリングにも対応しています。
コンパクトで持ち運びやすいので、小型のモバイルルーターとしても使えます。
側面の湾曲は好みが別れそう
Rakuten Hand 5Gは前面と背面の外側が湾曲しています。
最近はフラットなデザインが主流のため、これだけ湾曲しているのは珍しいかもしれません。
ここは好みが別れそうですね。
筆者もフラットデザインが好きなため、正直「フラットにしてほしかったな~」と思いました。
側面右側に音量ボタンと電源ボタンが集約されています。
左側には何もありません。
側面にはUSB-Cポートとスピーカーがあります。
スピーカーはモノラルで、音質はあまり良くありません。
イヤホンや外部スピーカーの利用がおすすめです。
また、Rakuten Handにあったイヤホンジャックが撤廃されました。
有線イヤホンを使う際は、付属している変換ケーブルを利用してください。
付属品は最低限
Rakuten Hand 5Gの付属品は以下の通りです。
付属品は最低限です。
ACアダプタやケース、保護フィルムなどは付属していません。
必要なものは別途購入してください。
筆者はジョギングメインでとりあえず本体を守ってくれれば良いので、格安のクリアケースにしました。
Rakuten Hand 5Gのスペック
Rakuten Hand 5Gのスペックは以下の通りです。
スペック | Rakuten Hand 5G |
---|---|
カラー | ホワイト ブラック クリムゾンレッド |
サイズ | 幅約63mm 高さ約138mm 厚さ約9.5mm |
重さ | 約134g |
ディスプレイ | 約5.1インチ, AMOLED HD+(1,520×720) |
OS | Android 11 |
SoC | Snapdragon 480 |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 128GB |
アウトカメラ | 6400万画素+200万画素 |
インカメラ | 1600万画素 |
バッテリー | 2,630mAh |
対応SIM | eSIM + eSIM |
DSDV | 〇(DSDV、デュアルeSIM) |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 |
防水・防塵 | IP68 |
おサイフケータイ | 〇 |
Snapdragon 480と4GBメモリを搭載するエントリースマホです。
動作はややモッサリしていますが、ネットサーフィンやSNS、動画視聴くらいであればなんとかこなせます。
3Dゲームなど、負荷の大きい用途には向きません。
eSIM専用のため、物理SIMカードは使えません。
その代わりにデュアルeSIMに対応しているため、povo2.0やLINEMOといった他社のeSIMと組み合わせることが可能です。
おサイフケータイおよび防水・防塵にも対応しています。
筆者はジョギングで使う予定だったので、防水・防塵対応はありがたいですね。
Antutuスコアは約30万
Rakuten Hand 5Gでベンチマークを回してみました。
AntutuとGeekbenchの結果はそれぞれ以下の通りです。
ここ最近のエントリースマホとしては標準的なスコアですね。
ただ、エントリー機の中にはAntutuスコアが20万前後のモデルも少なくありません。
それらに比べると、Rakuten Hand 5Gはまだマシな性能と言えます。
3Dゲームは△、軽い2Dなら〇
Rakuten Hand 5Gでゲームをプレイしてみました。
あくまでもエントリークラスなので、負荷の大きい3Dゲームは厳しいですね。
こちらはRakuten Hand 5Gで原神をプレイした動画です。
最低設定でも動きが悪く、カクつきます。
発熱もまあまあです。
また、エッジ部分のタッチ感度があまり良くありません。
画面端のボタンをタップしても反応しないことがあり、ストレスを感じます。
3Dゲームを快適にプレイしたいならゲーミングスマホを選びましょう。
Rakuten Hand 5Gでも動作が軽い2Dゲームなら問題なくプレイできます。
画面はやや小さいですが、ライトゲーマーならRakuten Hand 5GでもOKです。
初期アプリが大量(ほぼ削除可)
Rakuten Hand 5Gは初期アプリが非常にたくさんあります。
そのほとんどが楽天関連のアプリです。
数が多くてげんなりしますが、ほとんどのアプリが削除可能です。
消せないアプリが多い大手3キャリアに比べると良心的ですね。
不要なアプリはどんどん削除しましょう。
Rakuten Hand 5Gのカメラ性能をチェック
ここからはRakuten Hand 5Gのカメラ性能をチェックしましょう。
デュアルカメラ構成ですが、セカンドカメラは200万画素の深度即位センサーです。
超広角カメラや望遠カメラは搭載していないため、実質シングルカメラです。
明るい所では比較的キレイ
他のスマホのように凝った写真は撮れませんが、明るい場所では割とキレイに撮れます。
特別キレイなわけではないものの、価格を考えれば十分ですね。
ただ、若干AIによる補正がキツイ(濃すぎ)と感じます。
苦手な人はAIをオフにしましょう。
背景ぼかしは境界の処理がイマイチ
Rakuten Hand 5Gでは「背景ぼかし」モードで被写体の背景をぼかせます。
被写体と背景の境界の処理がイマイチで、被写体の一部もぼけたり、逆に背景があまりぼけなかったりするのがちょっと残念です。
Rakuten Hand 5Gでは、F16〜0.95の間でぼかし量を調整できます。
背景ぼかしの際はぼけ量をやや弱くし、被写体にしっかり接近して撮りましょう。
うまく調整すれば、Rakuten Hand 5Gでもそれなににキレイなぼけ写真が撮れます。
夜景は明るいが白飛びしやすい
Rakuten Hand 5Gでは暗所撮影用の「夜景モード」も利用可能です。
通常モードよりも明るさが増し、ノイズが減ります。
夜景も思っていたよりはキレイに撮れますが、明るい光の白飛びが目立ちます。
良くも悪くも価格相応なカメラ性能です。
カメラ性能を重視する人だと物足りませんね。
「明るい所で普通に撮れればOK」という方なら、Rakuten Hand 5Gのカメラでも問題ないでしょう。
Rakuten Hand 5Gのバッテリーをチェック
Rakuten Hand 5Gのバッテリー容量は2,630mAhです。
ここ最近のAndroidスマホ(4,000~5,000mAh)に比べると少なめですが、電池持ちはどうなのでしょうか?
実際にテストしてみました。
容量の割に電池持ちはまずまず
まずはバッテリー持ちのテストです。
以下の状態でYouTubeの動画を再生し、電源が切れるまでの時間を計測してみました。
6時間再生してみた結果がこちらです。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
1時間 | 89% |
2時間 | 79% |
3時間 | 70% |
4時間 | 63% |
5時間 | 56% |
6時間 | 47% |
6時間再生した時点でのバッテリー容量は47%でした。
バッテリー容量の少なさを考慮すると、思ったよりは持ちましたね。
最終的に、バッテリーが切れるまでの再生時間は10時間52分でした。
参考までに、筆者が直近でレビューした他モデルと比較してみましょう。
バッテリー容量 | 再生時間 | |
---|---|---|
Rakuten Hand 5G | 2,630mAh | 10時間52分 |
Pixel 6a | 4,410mAh | 14時間54分 |
Redmi Note 11 | 5,000mAh | 14時間42分 |
AQUOS wish | 3,730mAh | 9時間1分 |
motorola edge 20 | 4,000mAh | 12時間49分 |
iPhone 13 mini | 2,046mAh | 10時間21分 |
バッテリー容量が少ないことを考えると、健闘していますね。
画面の解像度が低い(HD+)分、消費電力が少ないのでしょう。
ライトユーザーなら1回の充電で1日は使えます。
筆者はジョギング(30~40分)での音楽再生がメインのため、充電は3日に1回程度で済んでいます。
充電速度も速い
続いては充電速度のテストです。
Rakuten Hand 5Gは急速充電に対応しています。
PDまたはQC対応の充電器を利用すると、急速充電が可能です。
先ほどのテストで電池が0%になった状態から、100%になるまでの時間を計測しました。
Rakuten Hand 5Gは充電器が付属していないため、筆者が愛用している「Anker PowerPort I PD」を使用しました。
ケーブルは付属していますが、急速充電に対応していないっぽいのでこちらも手持ちの物を使用しました。
充電テストの結果は以下の通りです。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 35分 |
80% | 57分 |
90% | 1時間7分 |
100% | 1時間32分 |
約1時間で80%まで充電できました。
充電速度はそこそこ速いと言えます。
満充電までかかった時間は1時間32分でした。
容量が少ないということもありますが、充電速度はまずまずの水準です。
指紋/顔認証は価格相応
Rakuten Hand 5Gは指紋認証と顔認証、2つの生体認証に対応しています。
指紋認証は精度こそ悪くありませんが、ややスピードが遅めです。
一方、顔認証はスピードが結構速めです。
しかし精度はあまり高くないようで、設定画面にも「セキュリティが低くなる」と注意書きがあります。
iPhoneのFace IDのような高い精度は期待できませんね。
とはいえ、この価格で指紋認証と顔認証の両方に対応しているのは便利です。
マスク着用中は指紋認証、自宅では顔認証と使い分けられますよ。
Rakuten Hand 5GはデュアルeSIM対応
Rakuten Hand 5Gは物理SIMカードが使えません。
その代わりに2枚のeSIMを同時に併用できる「デュアルeSIM」に対応しています。
実際に楽天モバイルとIIJmioのeSIMを併用してみたところ、問題なく使えました。
Rakuten Hand 5Gの動作確認が実施されている通信サービスは以下の通りです。
povo2.0も問題なく使えました。
楽天モバイル以外のSIMを使いたい人や、通信障害に備えて複数回線を保有しておきたい人にはデュアルeSIM運用がおすすめです。
Rakuten Handとの違いは?
Rakuten Hand 5Gを、兄弟機にあたる「Rakuten Hand」と比較してみました。
項目 | Rakuten Hand 5G | Rakuten Hand |
---|---|---|
カラー | ホワイト、ブラック、クリムゾンレッド | ホワイト、ブラック、クリムゾンレッド |
サイズ | 幅約63mm 高さ約138mm 厚さ約9.5mm | 幅約63mm 高さ約138mm 厚さ約9.5mm |
重さ | 約134g | 約129g |
ディスプレイ | 約5.1インチ, AMOLED HD+(1,520×720) | 約5.1インチ, 有機EL HD+(1,520×720) |
OS | Android 11 | Android 10 |
CPU | Snapdragon 480 | Snapdragon 720G |
メモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ | 128GB | 64GB |
カメラ | アウト: 6400万画素+200万画素 イン: 1600万画素 | アウト: 4800万画素+200万画素 イン: 1600万画素 |
バッテリー | 2,630mAh | 2,630mAh |
SIMサイズ | eSIM + eSIM | eSIM |
DSDS | 〇(DSDV、デュアルeSIM) | × |
5G | 〇(n77) | × |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 | 5.0 |
防水・防塵 | IP68 | IP52 |
おサイフケータイ | 〇 | 〇 |
サイズは全く同じで、重量も誤差レベルです。
CPUは異なるものの、処理性能はさほど変わりません。
しかし、機能面ではRakuten Hand 5Gが優れています。
- ストレージ容量が2倍
- カメラ性能がアップ
- デュアルeSIMに対応
- 5G対応でバンド帯も少し増えている
- 防水・防塵性能アップ
とくにデュアルeSIM対応と防水・防塵性能がアップしている点は大きなポイントですね。
基本的にはRakuten Hand 5Gを購入しましょう。
Rakuten Handが優れている点もいくつかあります。
単体で安く買いたい人、イヤホンジャックが必要な人はRakuten Handもおすすめです。
楽天モバイルでの販売は終了、白ロムなら8,000円ほど
2023年11月、楽天モバイルにおけるRakuten Hand 5Gのセット販売が終了しました。
楽天回線とのセットなら一括1円とかなりお得でしたが、もう一括1円では買えません。
これからRakuten Hand 5Gを入手する場合は中古ショップなどで白ロムを購入しましょう。
状態にもよりますが、8,000~10,000円ほどで購入できます。
まとめ
以上、Rakuten Hand 5Gのレビューでした。
Rakuten Hand 5Gは片手にすっぽり収まるスリムボディが魅力です。
防水・防塵に対応しているので、ジョギングやウォーキングなどのお供にも向いていますよ。
処理性能もまずまずで、普段使いなら問題ありません。
一括1円では買えなくなりましたが、とにかくスリムなスマホを探しているならおすすめです。
朝起きてから充電を始めても、出かけるまでに70~80%前後は充電できますね。