エキサイトモバイルはポータルサイトや翻訳サイトなどで知られる「エキサイト」の格安SIMです。
大手の格安SIMと比べるとやや地味ですが、従量制プランや3枚コース(シェアプラン)など独自のサービスを展開しています。
ぶっちゃけると、万人受けする格安SIMではありません。
「毎月のデータ通信量にばらつきがある」
「少量だけどタブレットやサブ端末でもデータ通信を使いたい」
など、どちらかというとニッチなニーズに答えてくれる格安SIMですね。
今回はそんなエキサイトモバイルを実際に契約・利用し、メリット・デメリットや良かったところ、注意点などを本音でレビューします。
エキサイトモバイルのメリット・良かったところ
まずはエキサイトモバイルのメリットや、実際に使ってみてよかったところから見ていきます。
- 従量制プランが用意されている
- 2GB以下の小容量プランをシェアできる
- 低速通信の使い勝手はまずまず
従量制プランが用意されている
エキサイトモバイルは他の格安SIMにはあまりない「従量制プラン」が用意されています。
従量制プランは1ヶ月に利用したデータ通信量の分だけ料金を支払うプランです。
エキサイトモバイルでは「Fitプラン」と呼ばれています。
通信量 | 音声 | SMS | データ |
---|---|---|---|
低速通信のみ | 495円 | 462円 | 385円 |
~3GB | 880円 | 847円 | 770円 |
~7GB | 1,430円 | 1,397円 | 1,320円 |
~12GB | 1,980円 | 1,947円 | 1,870円 |
~17GB | 2,750円 | 2,717円 | 2,640円 |
~25GB | 3,245円 | 3,212円 | 3,135円 |
Fitプランは毎月のデータ通信量にばらつきがある人でも無駄がないのが特徴です。
例えば普段は3GB以下だけど出張があるときだけ5GB使う人がいるとします。
- 他社の場合:出張に備えて5GB契約(普段は3GBなのに…)
- エキサイトモバイル:普段は~3GB、出張時は~7GBになる
他社の場合、出張時に備えて5GBのプランを契約する必要があります。
でも普段は3GBで済むため、ぶっちゃけ無駄ですよね。
一方、エキサイトモバイルの最適料金プランなら普段3GBしか使わない時は~3GBの料金を支払いますし、5GBまで使った月は~7GBの料金を支払います。
使ったデータ通信量に合わせて料金プランが変動するわけですね。
データ通信量を使わない月は月額料金が安く済むので、無駄が発生しません。
逆にたくさん使う月はそれに合わせてデータ通信量が増加します。
毎月のデータ通信量が一定でない人は、エキサイトモバイルの最適料金プランを検討してください。
ただし、最適料金プランは裏を返せば「使いすぎると高くなる」ということです。
上限の25GBでも3,245円なので、目が飛び出るような高額請求は来ません。
それでも思っていたより使いすぎてスマホ代が高くなってしまっては本末転倒です。
最適料金プランを利用する際は通常のプラン以上に使いすぎに注意してください。
2GB以下の小容量プランをシェアできる

(出典:エキサイトモバイル公式)
エキサイトモバイルは2GB以下の小容量プランをシェアできるのもメリットです。
「3枚コース」を選ぶと3枚のSIMカードで1つの容量プランをシェアできます。
さらに2枚のSIMを追加し、最大5枚のSIMカードによる容量シェアが可能です。
シェアプラン自体は他の格安SIMにもあります。
しかし、他社の場合は3GB以上でないとシェアできないことが多いです。
格安SIM | シェアできる最低容量 |
---|---|
エキサイトモバイル | 0MB |
BIGLOBEモバイル | 3GB |
IIJmio | 3GB |
OCNモバイルONE | 1GB(音声通話SIMのみ) |
イオンモバイル | 4GB |
エキサイトモバイルはどの容量でもシェアができます。
1GBや2GBといった低容量はもちろん、低速通信のみのプランまでシェア可能です。
「使う容量は少ないけど、サブ端末やタブレットでもデータ通信を利用したい」という人に向いています。
かなりニッチなニーズですね。
従量制プランもシェア可能
エキサイトモバイルでは従量制であるFitプランもシェアできます。
従量制のプランをシェアできるのは珍しいです。
こちらもかなりニッチですが「家族みんなのデータ通信量にばらつきがある」ような人に向いています。
ただし、Fitプランをシェアする際も使いすぎには要注意です。
低速通信の使い勝手はまずまず
エキサイトモバイルは低速通信の使い勝手がまずまず良いです。
速度切り替えに対応しており、いつでも高速通信と低速通信を切り替えられます。
低速通信の最大通信速度は200kbpsと遅いです。
しかしバースト転送対応なので、LINEやちょっとした調べもの、音楽ストリーミングくらいなら割と使えます。
バースト転送対応で軽い用途ならそこそこ使える
エキサイトモバイルは低速でも最初の読み込みだけ高速通信が使えるバースト転送に対応しています。
バースト転送により、軽い用途なら低速通信でもそこそこ使えます。
例えばTwitterは画像や動画の読み込みは遅いですが、ツイートの読み込み自体は結構素早いです。
また、音楽ストリーミングサービスは高音質でなければスムーズに再生されます。
あとはカーナビアプリや、ドラクエウォークなどの位置情報ゲームも利用可能です。
ただし、詳しくは後述しますがエキサイトモバイルの低速通信には直近3日間制限があります。
使いすぎには注意してください。
マイページから高速通信と低速通信の切り替えが可能
エキサイトモバイルは速度切り替えに対応しています。
マイページから高速通信と低速通信の切り替えが可能です。
低速通信にすればデータ通信量を消費しません。
普段は低速通信にしておき、ここぞという時だけ高速通信にすればデータ通信量を賢く節約できます。
エキサイトモバイルのデメリット・気になったところ
続いてはエキサイトモバイルを使っていて気になったところやデメリットを見ていきます。
- 混雑時の通信速度は遅い
- 初月も解約月も日割りなし
- 公式アプリがない
- 低速通信は直近3日間の速度制限あり
混雑時の通信速度は遅い
エキサイトモバイルは混雑時の通信速度が遅いです。
実際にエキサイトモバイルの通信速度を図ってみました。
測定にはGoogleスピードテストを利用しています。
時間帯 | 下り速度 | 上り速度 |
---|---|---|
朝(9:00) | 19.3Mbps | 8.35Mbps |
昼(12:00) | 0.41Mbps | 13.9Mbps |
夕方(18:00) | 1.22Mbps | 184Mbps |
夜(22:00) | 21.8Mbps | 19.3Mbps |
注目してほしいのがお昼と夕方の下り速度です。
お昼は0.41Mbpsと、もはや低速通信と変わらない速度まで低下しています。
SNSやブラウジングがやっとで、ゲームや動画視聴は厳しいでしょう。
夕方はなんとか1.22Mbpsを維持しており、標準画質の動画視聴もなんとか利用できます。
それでも朝や夜に20Mbps前後出ているのと比べると遅いですね。
回線混雑時に通信速度が遅くなるのは多くの格安SIMにおいて避けては通れないデメリット。
エキサイトモバイルも「平日お昼や夕方にスマホをたくさん使う」という人には向きません。
ドコモ回線で通信速度を重視するならOCNモバイルONEがおすすめですよ。
ドコモ回線にこだわらないならUQモバイルや楽天モバイルがおすすめ。
初月も解約月も日割りなし
エキサイトモバイルは初月も解約月も月額料金の日割りがありません。
月途中で契約および解約をしても丸々1ヶ月分の月額料金がかかります。
解約月に日割りがないのは格安SIMでは一般的です。
しかし、初月は多くの格安SIMで日割りされる、もしくは無料で使えます。
主要な格安SIM | 初月の料金 |
---|---|
BIGLOBEモバイル | 無料 |
IIJmio | 日割り |
LINEモバイル | 日割り |
mineo | 日割り |
OCNモバイルONE | 無料 |
UQモバイル | 日割り |
Yモバイル | 日割り |
初月無料は無理でも、せめて日割りにしてほしかったですね。
契約が月末だと「ほとんど使っていないのに1ヶ月分の料金を支払う」ことになります。
できる限り契約は月初めがおすすめです。
ちなみに解約はいつ申し込んでも月末になります。
解約を申し込んでも月末まではエキサイトモバイルが利用できるため、いつ解約しても損をすることはありません。
公式アプリがない
エキサイトモバイルは公式アプリがありません。
他の格安SIMはマイページと同等の機能を持った公式アプリをリリースしています。
速度切り替えやデータ通信量のチェックなどをアプリからワンタッチですることが可能です。
エキサイトモバイルにはそういった公式アプリがありません。
毎回ブラウザを起動し、マイページにアクセスする必要があります。
公式アプリがなくて困るのが速度切り替えです。
速度切り替えもマイページから行います。
高速→低速の切り替えは良いのですが、低速→高速の切り替えだと低速通信でマイページを開くだけでかなり苦労します。
スムーズに速度切り替えするためにも公式アプリが欲しいですね。
ちなみに非公式なら速度を切り替えられるアプリがいくつかあります。
非公式アプリを使えば速度切り替えが簡単です。
しかし、非公式アプリの利用は当然ですが自己責任です。
やはり、公式から安心して使えるアプリを出してほしいのが本音。
低速通信は直近3日間の速度制限あり
エキサイトモバイルの低速通信を使う際は直近3日間の速度制限に注意してください。
具体的に言うと「直近3日間で低速通信を366MB以上使う」と一時的に速度制限がかかります。
格安SIMでは割と一般的な条件ですね。
音楽ストリーミングやカーナビアプリなど、長時間利用することが多いアプリは向きません。
せっかくそこそこ快適に使える低速通信なのに、制限があるのは残念です。
上記のサービスは低速通信でも十分利用できます。
速度制限さえなければかなり魅力的なんですけどね。
低速通信を思う存分使いたい人はロケットモバイルかmineoを検討しましょう。
音声通話SIMには最低利用期間&違約金あり
エキサイトモバイルの音声通話SIMには最低利用期間と違約金があります。
- 最低利用期間:12ヶ月
- 違約金:10,450円
契約から1年以内に解約すると10,450円の違約金がかかります。
最低利用期間も違約金も、格安SIMとしては標準的です。
しかし、2019年10月に総務省がルールを改正して以降、大手と呼ばれる格安SIMでは続々と最低利用期間および違約金の撤廃(または減額)がされました。
格安SIM | 最低利用期間 | 違約金 |
---|---|---|
BIGLOBEモバイル | 1年 | 1,100円 |
IIJmio | 1年 | 1,000円(不課税) |
LINEモバイル | なし | 1,100円 |
mineo | なし | 0円 |
OCNモバイルONE | なし | 0円 |
UQモバイル | なし | 0円 |
Yモバイル | なし | 0円 |
また、ドコモやauといった大手キャリアでも違約金が1,100円または完全に撤廃されています。
それらと比べると、むしろエキサイトモバイルの音声通話SIMは解約しづらいですね。
エキサイトモバイルはこんな人におすすめ
エキサイトモバイルは次のような人におすすめです。
- 毎月のデータ通信量にばらつきがある人
- 少量だがタブレットやサブ端末でもデータ通信を使いたい人
エキサイトモバイルは従量制プランの存在と、低容量プランをシェアできるのが強み。
かなりニッチですが、刺さる人には刺さる格安SIMと言えますね。
エキサイトモバイルの申し込み方法
エキサイトモバイルは公式サイトから申し込みます。
実店舗はありません。
格安SIMに慣れていないと「ウェブから申し込むのは難しそう」と思うかもしれませんが、実際はとても簡単です。
- 端末を用意するor購入する端末を選ぶ
- 必要な物を用意する
- エキサイトモバイルを申し込む
- 初期設定をする
手持ちの端末を使う場合は事前に動作確認がされているかどうかをチェックしておきましょう。
ドコモのスマホおよびSIMフリースマホなら大抵の機種は利用できます。
申し込みに必要なものは以下の通りです。
- メールアドレス
- 本人名義のクレジットカード
- 本人確認書類(端末セットまたは音声通話機能の人のみ)
- 10日以上の有効期限があるMNP予約番号(他社から乗り換え時のみ)
エキサイトモバイルの支払い方法はクレジットカードのみです。
必ず本人名義のクレジットカードを用意しましょう。
他社から電話番号を引き継ぐ場合は「MNP予約番号」が必要です。
現在利用しているキャリアから事前に取得しておいてください。
大手キャリアでも格安SIMでも、オンライン(マイページ)からサクッと取得可能です。
必要なものが準備できたら、あとは公式サイトから申し込めばOK。
エキサイトモバイルのキャンペーン
エキサイトモバイルでは以下のキャンペーンを実施しています。
- Fitプランの月額料金が3ヶ月間880円割引※終了日未定
- Flatプランの月額料金が3ヶ月間1,210円割引※終了日未定
- 端末購入で最大10,000円分のギフト券※10月3日まで
音声通話SIM契約で月額料金が3ヶ月間割引されます。
Fitプランなら880円、Flatプランなら1,210円の割引です。
エキサイトモバイルを申し込むなら、今がチャンスですよ。
まとめ
以上、エキサイトモバイルの本音レビューでした。
- 従量制プランが用意されている
- 2GB以下の小容量プランをシェアできる
- 低速通信の使い勝手はまずまず
- 平日お昼や夕方の通信速度は遅い
- 初月も解約月も日割りなし
- 公式アプリがない
- 低速通信は直近3日間の速度制限あり
何度も言いますが、万人受けする格安SIMではないですね。
従量制プランを使いたい人や、2GB以下の小容量プランをシェアしたい人など、かなりニッチなニーズに答えてくれる格安SIMと言えます。
「毎月のデータ通信量にばらつきがある」
「SNSやちょっとした調べものをタブレットやサブ端末でもする」
上記のような人は、エキサイトモバイルを検討してみてはいかがでしょうか。