Redmi 12CはXiaomiから発売されているエントリーモデルのスマホです。
2023年発売モデルにもかかわらず、USB端子にmicroUSBを採用して話題になりました。
もちろん”悪い意味で”話題でした。
個人的にデザインは好きですし、カメラもエントリー機としてまずまずの性能です。
しかし、microUSBですべてが台無しになっています。
本記事ではそんなRedmi 12Cを、実際に購入・利用している筆者が本音でレビューします。
Redmi 12Cの外観チェック
さっそくRedmi 12Cの外観をチェックしていきます。
筆者が購入したのはミントグリーンのカラーリングです。
エントリー機によくある樹脂製ボディですが、斜めに模様が入っています。
カラーもポップでかわいらしく、結構好みです。
細かい凹凸があり、触るとザラザラします。
Redmi 9Tの触り心地に似ていますね。
かわいいと思える一方で、高級感は皆無です。
ミドル以上のモデルに比べて安っぽいのは否めません。
アウトカメラは2眼に見えますが、1つはポートレート用補助レンズなので実質シングルカメラです。
カメラユニット内に指紋センサーが配置されています。
変わった位置で最初はちょっと押しにくく感じますが、慣れると案外普通に押せるようになりました。
ディスプレイは6.71インチと大型です。
ベゼルは太く、パンチホールではなく水滴型ノッチです。
このあたりは価格相応と言えますね。
解像度はHD+(1650×720)止まりなので、画質にこだわる人は要注意です。
右側面には音量ボタンと電源ボタンが配置されています。
左側面はSIMカードスロットのみです。
上部にはイヤホンジャックがあります。
底面にはスピーカーと、Redmi 12C最大のデメリットでもあるmicroUSBを搭載しています。
まさか2023年にもなって、microUSBを搭載するモデルが発売されるとは思いませんでした。
筆者がmicroUSB搭載機種を買ったのはたぶんmoto g8 power liteが最後なので、3年以上も前です。
コスト面などで苦しかったのは理解できますが、microUSBの採用だけは全く理解できません。
充電速度が遅いし、挿す時に表裏を気にするのも面倒ですね。
個人的にRedmi 12Cの見た目は好きですし、後述しますがエントリー機の割に頑張っているところもあります。
しかし、「microUSBを搭載している」という1点だけですべて台無しですね。
Redmi 12Cの付属品【ケーブルあり】
Redmi 12Cの付属品は以下の通りです。
ACアダプタ、ケーブル、SIMピン、各種冊子が付属します。
最近ではACアダプタとケーブルが付属しない機種が増えており、ここは良心的だなと感じました。
もうmicroUSBケーブルなんて手元にないよ!って人でも安心ですね笑
他のXiaomiスマホと違いケースは付属しません。
画面フィルムは一応貼られていますが、あくまでも一時的な保護用です。
基本的には剥がす必要があるので、フィルムが必要な人は別途購入してください。
Redmi 12Cのスペック
Redmi 12Cのスペックは以下の通りです。
スペック | Redmi 12C |
---|---|
カラー | グラファイトグレー ミントグリーン ラベンダーパープル |
サイズ | 幅約76.41mm 高さ約168.76mm 厚さ約8.77mm |
重さ | 約192g |
ディスプレイ | 約6.71インチ, LCD HD+(1,650×720) |
リフレッシュレート | 60Hz |
OS | MIUI 14(Android 13) ※要アップデート |
SoC | MediaTek Helio G85 |
メモリ | 3GB / 4GB |
ストレージ | 64GB / 128GB |
アウトカメラ | 5000万画素(f/1.8) |
インカメラ | 500万画素(f/2.2) |
バッテリー | 5,000mAh(10W) |
ワイヤレス充電 | × |
対応SIM | nanoSIM + nanoSIM |
DSDV | 〇 |
5G | × |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 |
生体認証 | 指紋認証、顔認証 |
防水・防塵 | IP52(防滴) |
おサイフケータイ | × |
エントリー機向けのMediaTek製SoC「Helio G85」を搭載しています。
処理性能はあまり高くなく、アプリの起動・切り替えやSNSなどでもややもたつきを感じるレベルです。
筆者が購入したのは3GBメモリ版のため、なおさら動作が安定しません。
アプリによってはフリーズやタスクキルによる再読み込みが頻発し、結構ストレスです。
同じSoCを搭載しているmoto g13(4GBメモリ)のほうがよっぽど快適に動きます。
やはり、これから買うなら4GBメモリ版がおすすめです。
Antutuは約27万(不具合?で未検証)
Redmi 12Cでベンチマークソフト「Antutu」を走らせてみました。
スコアは約20万でしたが、なぜかGPUの数値がエラーで記録されていません。
しかも測定できたのは初回のみで、2回目以降はテストが無限にループしてしまい、測定不可能でした。
ネット上で調べてみたところ、Redmi 12CのAntutuスコアは27万くらいが正しいようです。
同じSoCを搭載するmoto g13も約27万だったので、恐らくRedmi 12Cもそのくらいでしょう。
Antutuスコアも、まさに”エントリー機”といった感じのスコアです。
ただ、メモリが3GBと少ないためかスコア以上に動作がモッサリしているように感じます。
3Dゲームは満足にプレイできない
Redmi 12Cでいくつかゲームも試してみました。
メモリが3GBということもあり、Redmi 12Cでは3Dゲームをまともにプレイできませんでした。
例えば原神の場合、普通に移動するだけでもガクガク、戦闘中はしょっちゅうフリーズします。
普段はゲームプレイの様子を画面録画していますが、動作が重すぎて画面録画すらできません。
FGOとPUBGモバイルはなんとかプレイできますが、ややカクつくため快適とは言えません。
この2つも画面録画はエラー落ちしてダメでした。
今回試した中で唯一ちゃんとプレイできたのがモンストです。
モンストくらい軽い2Dゲームであれば、Redmi 12Cでもなんとかストレスなくプレイできます。
ちょっとでも負荷のかかるゲームは満足にプレイできません。
やはり、エントリー機とはいえ3GBメモリでは厳しいですね。
4GBメモリ版は持っていないので分かりませんが、SoCの性能を考慮するとさほど違いはないでしょう。
少しでもゲームをプレイするならRedmi 12Cはおすすめできません。
Redmi 12Cのカメラ性能をチェック
Redmi 12Cは5,000万画素(F1.8)のアウトカメラを搭載しています。
見た目は2眼っぽいですが、1つはポートレート用補助レンズなので実質シングルカメラです。
あくまでもエントリー機なので過度な期待は禁物ですが、こだわらないなら十分なカメラ性能だと思いました。
明るい所ではそれなりに撮れる
さっそくRedmi 12Cの作例をいくつか紹介します。
いずれもオートモードかつAI補正オンで撮影しました。
明るい所ならそれなりにキレイに撮れますね。
ただHDRがイマイチで、明暗差の大きい場所では白飛びが目立ちました。
価格の割にはキレイですが、こだわる人だと物足りないでしょう。
ズームはイマイチ
Redmi 12Cは最大10倍のデジタルズームに対応しています。
望遠レンズを搭載していないため、光学ズームはできません。
2倍はまだキレイですが、それ以上の倍率は荒くなります。
手ブレもしやすいので、ズームは良くて2倍まででしょう。
2倍なら、なんとか見られるクオリティです。
夜景はややのっぺり
Redmi 12Cは暗所撮影用の「夜景」モードも搭載しています。
オートモードより明るく、ノイズの少ない写真が撮れます。
以下は夜景モードでの作例です。
ノイズは少ないものの、ややのっぺりした感じになりますね。
ある程度灯りがある場所ならともかく、低照度環境では明るさも足りません。
手ブレ補正が付いていないため、しっかり固定しないとブレやすいのもマイナス点です。
カメラについては頑張っている点もあるものの、やはり価格相応と言えます。
カメラにこだわるならミドル以上のモデルを選びましょう。
Redmi 12Cのバッテリーをチェック
Redmi 12Cは5,000mAhのバッテリーを搭載し、充電速度は最大10Wです。
数字だけを見るとバッテリー持ちは良さそうですが、充電速度は遅そうに感じます。
実際の電池持ち・充電速度はどうなのでしょうか?
テストしてみました。
バッテリー持ちはそこそこ良い
最初に「PCMark for Android Benchmark(以下PCMark)」を使ってRedmi 12Cのバッテリー持ちをテストしました。
PCMark for Android Benchmark
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PCMarkはスマホの性能やバッテリー持ちを計測できるベンチマークアプリです。
動画・画像の編集やブラウジングなどの作業を繰り返して、バッテリー残量が20%になるまでの時間を測ります。
テストの結果は12時間55分でした。
半日間ずっと使い続けても20%のバッテリーが残る計算です。
ライトユーザーなら、丸1日は普通に持つでしょう。
というかヘビーユーザーが使えるようなスペックじゃないですし。
筆者のようにサブで使うなら、充電は3日に1回ほどで済みます。
充電速度は遅め
続いてはRedmi 12Cの充電速度テストです。
先ほどのテストで電池が20%になった状態から、100%になるまでの時間を計測しました。
充電ケーブルとアダプタは付属品を使用しています。
結果は以下の通りです。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 42分 |
80% | 1時間26分 |
90% | 1時間45分 |
100% | 2時間9分 |
満充電までは2時間9分と、かなり時間がかかりました。
やはりmicroUSBだと急速充電に対応していないため、充電速度が遅めですね。
余裕を持って充電しましょう。
スピーカーはモノラル
Redmi 12Cのスピーカーはモノラルです。
片方からしか音が出ないためバランスが悪く、臨場感に欠けます。
イヤホンジャックを搭載しているので、こだわるならイヤホンを使いましょう。
もちろんワイヤレスイヤホンでもOKです。
有線イヤホンを挿せばFMラジオも使えます。
ちょっと地味ですが、うれしいメリットですね。
指紋認証と顔認証に対応
Redmi 12Cは指紋認証と顔認証、2つの生体認証に対応しています。
指紋認証はいわゆる背面式です。
一般的なスマホと違いカメラユニット内部にセンサーが配置されています。
ちょっと変わった位置にあるため、最初は押しにくいと感じました。
ただ、慣れれば割とすんなりいけます。
背面指紋認証の機種が減っており、久しぶりだったからかもしれません。
認証の精度は問題ありません。
しっかりセンサーをタッチできれば、素早くロックを解除できます。
Redmi 12Cは顔認証にも対応しています。
精度も申し分なく、電源ボタンを押すだけで良いので指紋認証より楽です。
セキュリティの面では指紋認証が安全なようですが、筆者は顔認証ばかり使っています。
貴重なトリプルスロット採用機
Redmi 12Cは2枚のSIMカードで同時に待ち受けできるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)に対応しています。
しかもSIMカードスロットとmicroSDカードスロットが独立した「トリプルスロット仕様」です。
DSDVで2枚のSIMカードを利用しつつ、microSDカードを使って容量を増やせます。
トリプルスロット仕様の機種は少ないため、貴重です。
その代わりにeSIMには対応していません。
Redmi 12Cの販売価格
ここではRedmi 12Cの販売価格を見ていきます。
実売価格は1万円前後
Redmi 12Cの定価は3GB版で19,800円、4GB版で23,800円です。
ただし実売価格はもっと安く、例えばAmazonなら4GB版を15,000円ほどで買えます。
中古品はさらに安く、3GB版は8,000円台で買えることもあります。
状態が気にならないなら中古で購入しましょう。
IIJmioなら一括2,480円だが…
Redmi 12Cを購入できる主な格安SIMは以下の通りです。
格安SIM | 価格 |
---|---|
IIJmio | |
mineo | 11,088円 |
IIJmioならRedmi 12CがMNP乗り換えで一括2,480円です。
ただ、IIJmioでは他の端末も激安で、Redmi 12Cより安くて高性能なスマホもあります。
IIJmioであえてRedmi 12Cを買う必要はありません。
性能がほぼ同じmoto g13と比較
Redmi 12Cと価格・性能が近いモデルとしてモトローラのmoto g13があります。
どちらも格安エントリー機ですが、筆者的にはmoto g13のほうがおすすめです。
両者のスペックをまとめました。
スペック | Redmi 12C | moto g13 |
---|---|---|
価格※ | 8,000~1.5万円前後 | 1.5~2万円前後 |
カラー | グラファイトグレー ミントグリーン ラベンダーパープル | マットチャコール ラベンダーブルー |
サイズ | 幅約76.41mm 高さ約168.76mm 厚さ約8.77mm | 幅約74.66mm 高さ約162.7mm 厚さ約8.19mm |
重さ | 約192g | 約184g |
ディスプレイ | 約6.71インチ, LCD HD+(1,650×720) | 約6.5インチ, LCD HD+(1,600×720) |
リフレッシュレート | 60Hz | 90Hz |
OS | MIUI 14(Android 13) ※要アップデート | Android 13 |
SoC | Helio G85 | Helio G85 |
メモリ | 3GB / 4GB | 4GB |
ストレージ | 64GB / 128GB | 128GB |
アウトカメラ | 5000万画素(f/1.8) | ①5000万画素(f/1.8、メイン) ②200万画素(f/2.4、マクロ) ③200万画素(F/2.4、深度) |
インカメラ | 500万画素(f/2.2) | 800万画素(f/2.0) |
スピーカー | モノラル | ステレオ |
バッテリー | 5,000mAh(10W) | 5,000mAh(20W) |
ワイヤレス充電 | × | × |
対応SIM | nanoSIM + nanoSIM | nanoSIM + nanoSIM |
DSDV | 〇 | 〇 |
5G | × | × |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 | 5.1 |
生体認証 | 指紋認証、顔認証 | 指紋認証、顔認証 |
防水・防塵 | IP52(防滴) | IP52(防滴) |
おサイフケータイ | × | × |
USB端子 | microUSB | USB type-C |
価格はRedmi 12Cが少しだけ割安ですが、それ以外の項目は基本的にmoto g13が優れています。
90Hzのリフレッシュレートと20Wの充電に対応、そして何よりUSB type-C搭載です。
ステレオスピーカーを搭載しているのも、Redmi 12Cにはない特徴です。
少しでも安く買いたい人、microUSBが気にならない人はRedmi 12Cでも良いでしょう。
上記以外の人は、数千円高くなってもRedmi 12Cではなくmoto g13をおすすめします。
まとめ
以上、Redmi 12Cのレビューでした。
それなりに良いところもあるものの、microUSBですべてぶち壊しです。
カラフルなデザインは結構気に入っているだけに、とにかくmicroUSBなのが残念でした。
別の機種を何度も登場させて申し訳ありませんが、「これならmoto g13で良いかな」というのが本音です。
microUSBが気にならず、とにかく安く買いたい人なら買っても良いかもしれません。
ただ、Redmi 12Cと同価格帯でUSB type-Cを搭載したもっと良い機種もあります。
レビューしといてなんですが、正直に言って人にはおすすめしにくい機種だと感じました。