arrows WeはFCNT(元富士通グループ)から発売されているエントリークラスのスマホです。
耐久性の高さが売りで、ハンドソープでのまる洗いやアルコール除菌もできます。
スペックやカメラは価格相応なところもありますが、普段使いなら問題ありません。
おサイフケータイやFMラジオにも対応するなど、機能性も充実していますよ。
本記事ではそんなarrows Weを実際に購入した筆者が、良かったところやイマイチなところをレビューします。
外観はややチープさを感じる
さっそくarrows Weの外観からチェックです。
今回はブラックのカラーを購入しました。
樹脂製ボディで、シンプルなデザインです。
価格を考えると仕方がありませんが、ややチープさを感じます。
カメラの出っ張りが少ないのは〇
右側面には電源ボタンと音量ボタンが配置されています。
左側面にはSIMカードスロットがあります。
本体上部にはイヤホンジャックがあります。
有線イヤホンを挿すことで、FMラジオが利用可能です。
底面にはスピーカーとUSB-Cポートが配置されています。
5.7インチの程よいサイズ感
arrows Weのディスプレイサイズは5.7インチです。
6インチ越えが当たり前の昨今では、やや小さい部類に入ります。
本体サイズも小さすぎず大きすぎず、ちょうど良い感じです。
片手でも、なんとか操作できます。
重量は172gです。
特別軽い!というわけではありませんが、重いとも感じません。
重過ぎるスマホが苦手な人にも、十分おすすめです。
アダプタやケーブルは付属せず
arrows Weの付属品は「クイックスタートガイド」と「ご利用にあたっての注意事項」だけです。
ACアダプタやUSBケーブル、ケースなどは一切付属しません。
必要な物は、自分で用意してください。
arrows Weのスペック
arrows Weのスペックは以下の通りです。
スペック | arrows We |
---|---|
カラー※ | ホワイト ブラック ローズゴールド |
サイズ | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約9.4mm |
重さ | 約172g |
ディスプレイ | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) |
OS | Android 13(要アップデート) |
SoC | Snapdragon 480 5G |
メモリ | 4GB |
ストレージ | 64GB |
アウトカメラ | 1310万画素+190万画素 |
インカメラ | 500万画素 |
バッテリー | 4,000mAh(PD-PPS対応) |
対応SIM | SB版:nano SIM + eSIM その他:nano SIM |
DSDV | SB版:〇 その他:× |
5G | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 |
防水・防塵 | IPX5 / IPX8・IP6X |
おサイフケータイ | 〇 |
エントリー機ではお馴染みのSoC「Snapdragon 480 5G」を搭載しています。
3Dゲームはちょっと厳しいですが、普段使いなら問題ありません。
国内で需要が高い防水・防塵とおサイフケータイに対応しています。
さらに耐衝撃をはじめとするMIL規格に準拠しており、耐久性の高さはかなりのものです。
arrows Weの耐久性については後ほど詳しく取り上げます。
リリース当初のOSバージョンは11でしたが、現在はAndroid 13までアップデート可能です。
ほとんどアップデートされないエントリー機も多い中、OSアップデートを長く実施してくれるのは好印象です。
Antutuスコアは約29万
arrows Weでベンチマークソフト「Antutu」を走らせてみました。
スコアは約29万です。
エントリークラスではありますが、ミドルクラスに近い処理性能を持ちます。
ブラウジングやSNSならサクサクこなせますし、画面のスワイプもスムーズです。
軽い2DゲームはOK
arrows Weでいくつかゲームを試してみました。
2Dゲームなら全然OKです。
3Dゲームも、負荷が大きくなければarrows Weでもそれなりにプレイできます。
ただし、arrows Weはあくまでもエントリークラスです。
負荷の大きい3Dゲームを快適にプレイするほどの力はありません。
以下はarrows Weで原神をプレイした動画です。
画質を落とせば一応プレイできますが、カクついて快適とは言えません。
発熱も結構あります。
ゲームをしない、あるいは2Dゲームメインならarrows WeでもOKです。
ある程度3Dゲームをプレイする場合は、もう少しスペックの高いスマホを使いましょう。
まる洗いもOKなタフネスボディ
arrows Weの魅力の1つが耐久性の高さです。
防水・防塵に加えて、米国国防総省の調達基準「MIL規格」に準拠しています。
arrows Weは以下の23項目のテストをクリア済みです。
落下 / 耐衝撃 / 防水(浸漬) / 防塵(6時間風速有り) / 防塵(脆弱面90分) / 塩水耐久 / 防湿 / 耐日射(連続) / 耐日射(変化) / 耐振動 / 防水(風雨) / 雨滴 / 熱衝撃 / 高温動作(60℃固定) / 高温動作(32~49℃変化) / 高温保管(70℃固定) / 高温保管(30~60℃変化) / 低温動作(-20℃固定) / 低温保管(-30℃固定) / 低圧動作 / 低圧保管 / 氷結(-10℃結露) / 氷結(-10℃氷結)
上記に加えて、高さ1.5mから26方向でコンクリートに落下させる独自試験もクリアしています。
耐久性に優れており、故障を心配せず使えるでしょう。
泡ハンドソープでのまる洗いや、アルコール除菌にも対応しています。
多少汚れても、まる洗いして清潔に保てます。
子供用のスマホにもピッタリです。
arrows Weのカメラ性能をチェック
続いてはarrows Weのカメラ性能をチェックします。
arrows Weは広角+マクロのデュアルカメラを搭載しています。
カメラ性能は価格相応で、あまり高性能とは言えません。
ただ、明るい所ではそれなりにキレイな写真が撮影可能です。
明るい所ではそこそこキレイ
明るい場所で撮影した、arrows Weの作例をいくつか載せておきます。
いずれもオートモードで撮影したものです。
HDRが甘く、明るい所が白飛びすることもしばしばあります。
こだわる人には物足りませんが、価格を考えれば及第点です。
ズームはデジタルのみで、最大8倍まで対応しています。
2倍はまだ見られるクオリティですが、4倍以上は荒くなります。
ズーム性能はイマイチです。
Photoshop Expressを標準搭載
arrows Weには「Adobe Photoshop Expressモード」という撮影モードがあります。
写真を撮影するとPhotoshop Expressが起動し、自動で写真を補正してくれるモードです。
Photoshop Express自体は他機種でも使えますが、勝手に起動してサクッと補正してくれるので手間がかかりません。
やや補正がキツイ時もありますが、手っ取り早く”映え”な写真を撮りたいならアリですね。
マクロはおまけ程度
arrows Weのセカンドカメラは190万画素のマクロカメラです。
被写体に4cmほどの距離まで接近して写真を撮影できます。
うまく使えば迫力のある写真を撮れますが、画素数が低すぎるのが難点です。
しかもピントが合いにくく、撮影した写真もボケてばかりでした。
正直、実用性は低いと感じました。
夜景はイマイチ
arrows Weには「夜景モード」のような夜景専用モードはありません。
一応、暗い所でカメラを起動すると自動シーン識別で「夜景」と認識してはくれます。
ただ、格安モデルということもあり夜景のクオリティはイマイチです。
明るさが足りませんし、白飛びやノイズも目立ちます。
Photoshop Expressモードなら多少マシになりますが、劇的にキレイにはなりません。
カメラ性能は価格相応です。
マクロ撮影や夜景など、こだわって写真を撮りたい人には向きませんね。
カメラにこだわるなら最低でもAQUOS sense7やPixel 6aなどのミドル~ミドルハイクラスがおすすめです。
バッテリーをチェック
arrows Weのバッテリー容量は4,000mAhです。
最近のスマホとしては標準的な容量ですが、電池持ちや充電速度はどれくらいなのでしょうか。
実際にテストしてみました。
電池持ちは普通
以下の状態でYouTubeの動画を再生し、電源が切れるまでの時間を計測してみました。
6時間経過した時点で、バッテリー残量は46%でした。
経過時間 | バッテリー残量 |
---|---|
1時間 | 92% |
2時間 | 83% |
3時間 | 74% |
4時間 | 65% |
5時間 | 55% |
6時間 | 46% |
最終的に、0%になるまで10時間19分持ちました。
可もなく不可もなく、って感じです。
参考までに、筆者が直近でレビューした他モデルと比較してみましょう。
バッテリー容量 | 再生時間 | |
---|---|---|
arrows We | 4,000mAh | 10時間19分 |
moto e32s | 5,000mAh | 11時間16分 |
Pixel 6a | 4,410mAh | 14時間54分 |
Redmi Note 11 | 5,000mAh | 14時間42分 |
AQUOS wish | 3,730mAh | 9時間1分 |
motorola edge 20 | 4,000mAh | 12時間49分 |
バッテリー容量が同じmotorola edge 20が13時間近く持ったことを考慮すると、やや物足りなさを感じます。
動画視聴やゲームをしないライトユーザーであれば、丸1日は十分持つでしょう。
不安な人は、モバイルバッテリーを持ち歩きましょう。
充電速度は遅め
続いては充電速度のチェックです。
電池残量が0%の状態から、100%になるまでの時間を計測しました。
arrows WeにはACアダプタもケーブルも付属していません。
テストでは、筆者が利用している以下の製品を利用しています。
測定結果は以下の通りです。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 47分 |
80% | 1時間15分 |
90% | 1時間30分 |
100% | 2時間3分 |
満充電まで2時間3分でした。
公式のスペックを見ると、arrows Weは急速充電に対応しているようです。
ACアダプタ(USB PD-PPS対応 USB Type-C™ 急速充電 ACアダプタ[ZSDBAV](SB-AC22-TCPD)):約190分
引用元:本体仕様 | arrows We オンラインマニュアル(取扱説明書) | ソフトバンク
その割には充電に時間がかかります。
こまめな充電を心がけてください。
ワイヤレス充電は非対応
arrows Weはワイヤレス充電に非対応です。
エントリークラスなので、こればっかりは仕方がありませんね。
ワイヤレス充電を使いたい場合はミドルハイ以上のモデルを使いましょう。
arrows独自の機能を搭載
arrows Weにはarrows独自の機能が「arrowsオススメ機能」としてまとめられています。
いろいろな機能がありますが、ここではその中でもとくに便利だと感じた機能をいくつか紹介します。
FASTウォレット
FASTウォレットはお店ごとに使うアプリを一括登録し、素早く切り替えられる機能です。
例えば「ローソンではPontaアプリでポイントを貯めて、PayPayで支払う」としましょう。
この場合はお店で「ローソン」を作成し、そこにPontaアプリとPayPayアプリを登録しておきます。
あとはFASTウォレットからローソンを選ぶと、PontaアプリとPayPayアプリを素早く切り替えることが可能です。
決済アプリとポイントアプリが異なる場合に便利ですね。
FASTフィンガーランチャー
指紋認証で画面ロックを解除すると同時に、指定したアプリを素早く起動できる機能です。
お店でスマホ決済アプリを使うときはもちろん、良く使うアプリを画面ロック解除と同時にサッと起動したいときに便利です。
例えばロック解除して即Twitterを起動することもできます。
ツイ廃におすすめ?
AQUOS wishなどに搭載されているPayトリガーに似ていますね。
なお、Payトリガーと違い画面ロックを解除している状態ではアプリを呼び出せません。
ゲームゾーン
ゲームに集中するためのさまざまな設定ができる機能です。
管理対象のゲームをプレイ中に、画面端の紫色のバーをスライドするとメニューが表示されます。
設定画面からは管理するゲームの選択や、細かい設定も可能です。
いろいろ便利な点もある一方、ゲームと関係ないアプリも勝手に管理対象になるのが面倒です。
不要な場合は、ゲームゾーン自体をオフにしても良いでしょう。
キャリアごとの違い
arrows Weはドコモ、au/UQモバイル、ソフトバンクから発売されています。
基本スペックは同じです。
しかし、以下の3つの点のみ異なります。
各キャリア限定のカラーあり
arrows Weは各キャリアでカラーリングが異なります。
好みの問題なので、どのキャリアが良いかは一概に言えません。
強いて言えば、一番カラフルなのはドコモ版ですね。
対応バンドは各キャリアに特化
arrows Weはキャリアによって対応バンドが異なります。
基本的に、各キャリアのバンドに特化している形です。
5G | ドコモ版 | au版 | SB版 |
---|---|---|---|
n3 | – | 〇 | 〇 |
n28 | – | 〇 | 〇 |
n77 | – | 〇 | 〇 |
n78 | 〇 | 〇 | – |
n79 | 〇 | – | – |
4G | ドコモ版 | au版 | SB版 |
---|---|---|---|
B1 | 〇 | 〇 | 〇 |
B2 | – | – | 〇 |
B3 | 〇 | 〇 | 〇 |
B4 | – | – | 〇 |
B5 | 〇 | – | – |
B8 | – | – | 〇 |
B12 | 〇 | 〇 | 〇 |
B17 | – | – | 〇 |
B18 | – | 〇 | – |
B19 | 〇 | – | – |
B26 | – | 〇 | – |
B28 | – | 〇 | – |
B39 | 〇 | – | – |
B41 | – | 〇 | 〇 |
B42 | 〇 | 〇 | 〇 |
同じキャリアもしくは同じ回線を利用する格安SIMなら問題なく使えます。
逆に言えば、回線が異なるキャリアで使うのはやめた方が良いでしょう。
eSIM/DSDVはSB版のみ対応
arrows Weのうち、eSIM/DSDVに対応するのはソフトバンク版のみです。
nanoSIM | eSIM | |
---|---|---|
ドコモ版 | 〇 | – |
au版 | 〇 | – |
ソフトバンク版 | 〇 | 〇 |
ドコモ版とau版はeSIMに対応しておらず、DSDVも不可です。
eSIM/DSDVを利用したい場合はソフトバンク版を選びましょう。
arrows WeとAQUOS wish2の違い
arrows Weと似た価格・スペックのモデルにAQUOS wish2があります。
どちらもエントリークラスのスマホですが、どのような違いがあるのでしょうか?
スペックをまとめてみました。
スペック | arrows We | AQUOS wish2 |
---|---|---|
カラー(au版) | ネイビー ホワイト パープル レッド ローズゴールド ブラック ターコイズ | オリーブグリーン アイボリー チャコール ホワイト ブルー コーラル |
サイズ | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約9.4mm | 幅約71mm 高さ約147mm 厚さ約8.9mm |
重さ | 約172g | 約162g |
ディスプレイ | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) | 約5.7インチ, LCD HD+(1,520×720) |
リフレッシュレート | 60Hz | 60Hz |
OS | Android 13(要アップデート) | Android 13(要アップデート) |
SoC | Snapdragon 480 5G | Snapdragon 695 5G |
メモリ | 4GB | 4GB |
ストレージ | 64GB | 64GB |
アウトカメラ | 1310万画素+190万画素 | 1300万画素 |
インカメラ | 500万画素 | 800万画素 |
バッテリー | 4,000mAh(PD-PPS対応) | 3,730mAh(PD対応) |
対応SIM | SB版:nano SIM + eSIM その他:nano SIM | nano SIM + eSIM ※ドコモ版はnanoSIMのみ |
DSDV | SB版:〇 その他:× | 〇 |
5G | 〇 | 〇 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 5(802.11ac) |
Bluetooth | 5.1 | 5.1 |
防水・防塵 | IPX5 / IPX8・IP6X | IPX5 / IPX7・IP6X |
おサイフケータイ | 〇 | 〇 |
どちらもエントリー機ですが、AQUOS wish2はミドル向けSoCのSnapdragon 695 5Gを搭載しています。
処理性能はAQUOS wish2が優秀です。
防水・おサイフケータイ対応やMIL規格準拠で高耐久な点は共通です。
サイズもほぼ同じですが、重量はAQUOS wishがやや軽くなっています。
軽さ重視な人にも、AQUOS wish2がおすすめです。
AQUOS wish2はこちらの記事で詳しくレビューしています。
基本的なスペックはAQUOS wish2のほうが優れていますが、中古価格はarrows Weのほうが少し割安です。
サブ端末や子供向けのスマホをできる限り安く買いたいなら、arrows Weも選択肢に入ります。
おすすめ購入先はUQ or 中古
arrows Weは大手3キャリアとUQモバイルで取り扱われています。
キャリア | 販売価格(定価) | 販売価格(MNP割引後) |
---|---|---|
ドコモ | 22,000円 | 7,000円 (ポイント還元込み) |
au | 26,180円 | 4,180円 |
ソフトバンク | 27,360円 | 13,704円 |
UQモバイル | 26,180円 | 4,180円 |
おすすめはUQモバイルです。
他社から乗り換え+増量オプションII加入で、一括4,180円で購入できます。
月額料金も3GB/1,628円からと、auに比べても割安です。
格安モデルのためか、中古品も安く出回っています。
新品同様品でも8,000~10,000円で購入可能です。
端末だけ欲しい場合は、中古品を購入しても良いでしょう。
まとめ
普段使いなら困らないスペックと、まる洗いOKな高い耐久性を備えます。
定価2万円台、実売1万円前後という価格を考えるとコスパは悪くありません。
あくまでもエントリー機なので、3Dゲームをがっつりプレイしたい、高品質な写真を撮りたい人には向きません。
バンド制限やSB版以外はeSIM/DSDVに対応していないのも残念なポイントです。
デメリットもあるものの、それさえ気にならなければ格安で使いやすい1台だと感じました。
子供やシニア向けとしてはもちろん、ライトユーザーのメイン機としてもおすすめです。
米国国防総省の調達基準「MIL規格」に準拠した各種試験もクリア済みです。