Aterm MP02LNはNECから発売されているエントリークラスのモバイルルーターです。
小型ボディが最大の特徴で、その大きさはクレジットカードとほとんど変わりません。
ポケットやカバンに入れてもかさばらず、楽に持ち運べます。
とにかく小さいモバイルルーターが欲しい人におすすめです。
本記事ではAterm MP02LNを実際に購入・利用し、良かったところやイマイチな点をレビューします。
クレカサイズの超小型ボディ
さっそくAterm MP02LNのデザインからチェックしましょう。
カラーバリエーションはメタリックシルバーのみです。
最大の特徴は「業界最小(発売時点)」をうたうコンパクトな本体サイズです。
その大きさは、クレジットカードとほとんど変わりません。
重量も71gと非常に軽く、持ち運びも楽ちんです。
左側面にはmicro USBポートがあります。
USB-Cではないのが残念ですね。
右側面に電源ボタンと、操作に必要なメニューボタンがあります。
裏面です。
プリズムパターンを採用しており、角度によって光り方が変わります。
本体は樹脂製なので、全体的にややチープな質感なのは否めません。
このあたりは価格相応です。
0.77インチの有機EL搭載
Aterm MP02LNは0.77インチの小型ディスプレイを搭載しています。
画面はかなり小さく、表示されるのは最低限の情報のみです。
それでも電池残量やSSID・パスワード、接続先の表示くらいならこのサイズでも問題ありません。
電源ボタンとMENUを使って画面を遷移していきます。
操作がややこしくて最初はちょっと苦労しました。
慣れが必要です。
バッテリーの交換が可能
Aterm MP02LNは裏面を外すことで、バッテリーの交換が可能です。
バッテリーが劣化しても、自分ですぐに交換できるのは安心です。
交換用の電池パックは楽天市場の公式ストアで購入できます。
IIJmioなら交換バッテリーが付属
Aterm MP02LNの付属品は以下の通りです。
筆者は格安SIMのIIJmioで購入しました。
IIJmio限定で、交換用の充電池パックが付属しています。
Aterm MP02LNには2つの型番があり、ACアダプタの有無が異なります。
IIJmioで販売しているのは、ACアダプタが付属する「PA-MP02LN-SA」です。
型番が「PA-MP02LN」の場合はACアダプタが付属しません。
ACアダプタが欲しい場合は「PA-MP02LN-SA」を購入するか、アダプタ単体を別途購入してください。
Aterm MP02LNのスペック
Aterm MP02LNのスペックは以下の通りです。
スペック | Aterm MP02LN |
---|---|
カラー | メタリックシルバー |
サイズ | 幅約50mm 高さ約91mm 厚さ約12mm |
重さ | 約71g |
ディスプレイ | 約0.77インチ |
最大通信速度 | 下り:150Mbps 上り:50Mbps |
バッテリー | 1,670mAh(着脱式) |
連続通信時間 | 約10時間 |
最大接続台数 | 11台 (Wi-Fi10台+USB1台) |
対応SIM | nanoSIM x 1 |
対応バンド | 5G:非対応 4G:B1/3/19/26 3G:B1/5/6/19 |
Wi-Fi | Wi-Fi 5(802.11ac) |
通信速度は下り150Mbps、上り50Mbpsです。
特別速いわけではありませんが、必要十分な速度と言えます。
5GやデュアルSIMには対応していません。
このあたりは価格相応です。
実速度は申し分なし
肝心なAterm MP02LNの実速度ですが、利用するSIMによるため一概には言えません。
ahamoやpovo2.0、OCNモバイルONEなど通信速度が速いSIMなら申し分ない速度が出ます。
「とにかく通信速度を重視!」という人には向きません。
SNSを閲覧したり、動画(フルHD)を視聴したりするくらいなら十分です。
USBケーブルで有線接続も可能
Aterm MP02LNはUSBケーブルによる有線接続が可能です。
特別な設定も必要ありません。
USBケーブルを利用してパソコンと接続すると、すぐにインターネットに繋がります。
USB接続中はバッテリーが充電されるので電池切れの心配は無用です。
また、USB接続中もWi-Fiでスマホやタブレットを接続できます。
外出先でノートパソコンを使う場合などに便利ですね。
SIMカードを入れてすぐに使える
Aterm MP02LNの使い方はとても簡単です。
基本的には、本体にSIMカードを挿して電源を付けるだけですぐに使えます。
- STEP 1
- STEP 2
- STEP 3
- STEP 4
SIMカードを挿入して電源をつけると、自動的にAPN設定が開始されます。
APN設定が終わったら、スマホやパソコンをWi-Fi経由で接続するだけです。
とても簡単ですね。
ドコモ/auの幅広いSIMに対応
Aterm MP02LNはドコモとauの主要バンド・プラチナバンドに対応しています。
本家ドコモ/auはもちろん、その回線を利用する格安SIMもOKです。
実際に、格安SIMを含む多くのサービスで動作確認が実施されています。
動作確認していない事業者でも、バンドが合っていれば使えます。
例えば筆者が契約しているahamoとdonedoneは動作確認されていませんが、問題なく使えました。
ただし、動作確認されていないSIMカードでの利用は自己責任です。
また、ソフトバンクのプラチナバンドには対応していません。
一応ソフトバンク回線も使えますが、エリアが狭いため非推奨です。
一部は手動でAPN設定が必要
Aterm MP02LNでは、基本的に自動でAPNが設定されます。
しかし、事業者によっては自動でAPN設定されません。
その場合は手動でAPNを設定してください。
- STEP 1
- STEP 2
- STEP 3
- STEP 4
- STEP 5
- STEP 6
- STEP 7
詳細設定はブラウザから
Aterm MP02LN本体でできる設定事項は以下の3つだけです。
- 本体情報の確認
- WPSの利用
- 初期化
その他の詳細設定はスマホ/PCのブラウザから実施します。
さきほどのAPN設定の手順を踏めば、設定画面にアクセス可能です。
設定画面はシンプルで見やすいデザインです。
SSIDの変更、ソフトウェアアップデート、省電力設定など、だいたいの設定はこの画面から実施できます。
ただし、パケットフィルタリングなど高度な設定はパソコン画面でのみ設定可能です。
この画面はスマホからだと見づらいので、パソコンのブラウザからアクセスするのがおすすめです。
Aterm MP02LNのバッテリーをチェック
Aterm MP02LNのバッテリー容量は1,670mAhです。
本体がコンパクトな分、バッテリー容量は多くありません。
果たしてどれくらい電池が持つのか、チェックしてみました。
電池持ちはやや物足りない
まずは電池持ちのテストです。
朝8:20に電池100%の状態で電源をオンにし、1日中つけっぱなしにしてみました。
電源が切れたのは夕方の17:08でした。
約8時間50分バッテリーが持った計算です。
使い方にもよりますが、電池は持っても半日程度です。
通勤・帰宅途中の電車内だけで使う、とかなら十分持ちます。
一方、常に通信していると家に帰るまで持たない可能性が高いでしょう。
不安なら、モバイルバッテリーや交換用電池パックを持ち歩くと安心です。
(せっかくのコンパクトが台無しになりそうですが…。)
容量の割に充電は遅め
先ほどの実験で電池が0%になった状態から、100%になるまでの時間を計測しました。
充電ケーブルとACアダプタは純正品を使用しています。
結果は以下の通りです。
バッテリー残量 | 充電にかかった時間 |
---|---|
50% | 46分 |
80% | 1時間15分 |
90% | 1時間31分 |
100% | 2時間5分 |
100%になるまで2時間5分かかりました。
バッテリー容量が少ない割には、充電がやや遅めです。
充電ポートがmicroUSBで、急速充電にも対応していません。
MP02LN/MP02LSはQC2.0には非対応です。
引用元:Aterm MP02LN/MP02LS | 製品一覧 | AtermStation
充電にはやや時間がかかるので、こまめな充電を心がけましょう。
20%くらいから充電すれば、1時間足らずで90%になるのでまだ安心です。
Aterm MP02LSとの違い
Aterm MP02LNとよく似たモデルにAterm MP02LSがあります。
基本仕様に違いはありません。
異なるのはカラーと対応バンドだけです。
スペック | Aterm MP02LN | Aterm MP02LS |
---|---|---|
カラー | メタリックシルバー | ポテリーホワイト |
対応バンド | 4G:B1/3/19/26 3G:B1/5/6/19 | 4G:B1/3/8 3G:B1/8 |
Aterm MP02LNでは主にドコモとauのSIMカードが利用可能です。
対して、Aterm MP02LSはソフトバンクの主要バンドに対応しています。
ソフトバンク系のSIMを使いたい人はMP02LSを購入してください。
Aterm MP02LNの価格
Aterm MP02LNの実売価格はACアダプタの有無で異なります。
ACアダプタセットのPA-MP02LN-SAが4,000円ほど高めです。
すでにACアダプタを持っている場合、無理に買う必要はありません。
一応、公式サイトでは「専用品または以下の動作確認済みACアダプタを使ってほしい」と記載されています。
動作確認済みACアダプタ(2019年8月現在)
引用元:Aterm MP02LN/MP02LS | 製品一覧 | AtermStation
・NTT ドコモ:ACアダプタ 05
・NTT ドコモ:kuruko
・au:共通ACアダプタ04(型番:0401PWA)
・au:共通ACアダプタ05(型番:0501PWA)
・SoftBank:スマートフォン用 microUSB 充電 ACアダプタ 1.0A(型番:SB-AC13-HDMU)
・SoftBank:スマートフォン用 QC2.0対応 ACアダプタ(型番:SB-AC12-HDQC)
不安な場合はACアダプタセットか、上記のACアダプタを購入しましょう。
公式ストアは割高
Aterm MP02LN SA(ACアダプタセット)は楽天市場のAterm公式ショップでも購入できます。
しかし、価格は13,729円と少々割高です。
こだわらないなら、公式ストア以外がおすすめです。
なお、公式ストアでは専用の電池パックやACアダプタも取り扱っています。
セット購入はIIJmioがお得
Aterm MP02LNは格安SIMとのセット購入も可能です。
格安SIM | ACアダプタ | 価格 |
---|---|---|
IIJmio | 付属 | 3,980円 |
LinksMate | 付属 | 12,980円 |
NifMo | 別売り | 11,800円 |
楽天モバイル | 別売り | 13,800円 |
中でもおすすめはIIJmioです。
記事執筆時点ではACアダプタセットを一括3,980円で購入できます。
筆者もIIJmioで一括購入しました。
しかも、IIJmioの対象プランとセットなら一括500円で購入可能です(2月29日まで)。
もちろん、IIJmioのSIMカードも使えます。
とにかく安く買うなら、IIJmioがおすすめです。
Aterm MP02LNのよくある質問
- Q専用クレードルはある?
- A
ありません。クレードルを使いたい場合はAterm MR05LNを検討しましょう。
- Q電池パックはどこで買える?
- A
楽天市場のAterm公式ショップで購入が可能です。
- Q電池パックを外して充電しながら使える?
- A
使えません。
- Q5G通信は対応している?
- A
対応していません。
- Qahamo/povo/LINEMO/楽天モバイルは使える?
- A
ahamo、povo、楽天モバイルは使えます。
LINEMOは主要バンドに対応していません。どうしても使いたいならAterm MP02LSで利用しましょう。
まとめ
以上、Aterm MP02LNのレビューでした。
クレカサイズの超小型ボディが魅力です。
取り回しが良く、カバンに入れてもかさばりません。
設定も簡単で、多くのSIMはAPNも自動で選択してくれます。
ドコモ/au回線対応で、ahamoやpovo2.0、楽天モバイルなど幅広いSIMで運用可能です。
本体が小さい分だけバッテリー容量が少なく、電池持ちはやや物足りません。
電池持ちを重視する人は、バッテリー容量が多いAterm MR05LNなどを検討してください。
バッテリーよりコンパクトさを重視する人、ドコモ/au回線のSIMを使いたい人には、Aterm MP02LNがおすすめです。
モバイルルーターとしては業界最小クラスです。